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スーツボックス(suitsbox)がサービス終了した理由を考える

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スーツのサブスクリプションサービスである「スーツボックス」のサービス終了が発表されました。2018年12月13日をもってすべてのBoxの手配を終了し、12月21日に会員ページも閉鎖するとのことです。

以前、「スーツボックスめちゃ良いよ!」的な記事を書いた私としては、非常に残念です。。スーツボックスって何だっけ?という方のために簡単に説明すると、月額1.8万円出せば、コーディネーターが考えたスーツ2着とシャツ3着とネクタイ2本が毎月送られてくるよ、新しいボックスが届いたら前のスーツたちは返却してね、というサブスクリプションサービスです。

料金別にいくつかコースもありましたが、詳しくは以下の記事を。

techhack.hatenablog.jp

なぜスーツボックスは、わずか半年で終わってしまったのでしょうか。
ここではその理由を考えたいと思います。

直接のきっかけはたぶん社長の交代

スーツボックスはAOKIの新規事業として開始されたサービスです。そのAOKIですが18年10月に中村宏明前社長が辞任し、新しく諏訪健治氏が社長に就任しています。どうやら新社長になり、方針の転換があったようです。

日経XTRENDでは以下のような関係者のコメントが書かれていました。

関係者によれば「社長交代後に新規事業の見直しが入った」という。suitsboxもその対象となったようだ。

AOKIが半年でサブスク撤退 新社長による事業見直しか:日経クロストレンド 

諏訪新社長、スーツボックスやめるってよ。
とはいえ、事業がうまくいっていればどんな社長になってもスーツボックスは継続されたはずです。何かしらの理由で事業がうまくいっていなかった、それを見咎めた新社長によって撤退の決定が下された、と考えるのが自然でしょう。

ではなぜ事業がうまくいっていなかったのでしょうか。
利益=売上-コストですから、利益が出なかった原因は売上が立たなかったかコストが抑えられなかったかの2択で考えられるはずです。いくつかの要素から考えて、コストが抑えられなかったという点が問題であったと私は考えています。順に説明していきます。

利用者が少なかったのか(売上が立たなかったのか)⇒NO!

スーツのサブスクリプション、というサービスが消費者の心を掴めなかったのでしょうか。私はそうは思いません。使った感じ、人に勧めたくなる良いサービスでしたし(単なる主観)。

主観は置いといて、客観的な事実から読み解いても利用者を集めることには成功していたのではないかと思います。

1. サービス開始前のクラウドファンディングは注目度高だった

スーツボックスは事業を本格スタートさせる前に、クラウドファンディングサイトのMakuakeにて支援を募っていました。資金を調達するというよりも、どのくらいのユーザーが関心を持っているのかを確かめるちょっとした実証実験としての側面が強かったようですが。

結果としては、3日で当初目標の100万円を突破し、最終的には約220万円を集めました。この時点では、AOKIの想定以上に注目度もサービスを利用したいユーザーの数も多かったと言っていいでしょう。

2. 申し込み多数による新規受付の停止をするほどの盛況

いざサービスを開始した後はどうだったのでしょうか。
なんと大盛況でした。18年9月から申し込み多数を理由に新規受付を停止するほど利用希望者は多かったようです。

18年7月の日経新聞でも申し込み好調が以下のように伝えられていました。

受注が好調で、当初は21年3月期に目指していた会員数1万人の目標を「1年前倒しで達成できる見込み」(経営戦略室の永沼大輔氏)という。

アパレルも「定額制」時代 レナウンがスーツレンタル :日本経済新聞

というわけで、利用者自体は順調に増加していたと考えてよいでしょう。
まさか1年前倒しも何も、1年持たずにサービスが終わるとは・・。諸行無常なり。

コストが高かったのか

利用者が順調に増えていたにも関わらず、事業撤退という結果になってしまったということは、売れれば売れるほど赤字が累積していく赤字の事業構造だったのでしょうか。

おそらくこちらが的を射ているでしょう。この事業モデル、利益を出すのも、そのためにスケール化するのも、両方ともかなり難しそうなのです。

どのくらい利益が出るのか計算してみよう

1. ボックスの中身は25万円相当

ちょっとシンプルに事業モデルを考えて、どのくらい利益がでるのか計算してみましょう。スーツボックスの中身(スーツ2着、シャツ3着、ネクタイ2本)の商品販売価格は、21~30万円とMakuakeでは説明されていますので、いったん25万円と考えます。なお、サブスクリプションの月額料金は1.8万円です。

2. 1万人の利用者にサービスを届けるには最低50億円分のスーツが必要

ここで、いま1万人の利用者がいるとします。最低でも必要なボックス数は1万個。しかし、スーツには夏物・冬物があるので、夏物1万個、冬物1万個の合計2万個が最低でも必要になります。

ボックスの中身は25万円ですので、2万個のボックス×25万円で50億円が原価となります。

なお、これは最高効率でボックスを回すことができた場合です。バッファのボックスは1個もありません。

3. スーツの耐用年数を3年とすると、17億円が減価償却

減価償却の目安として、スーツの耐用年数は夏物3年、冬物4年となっています。他の指標においても3年程度でスーツはダメになると想定されており、例えば全国クリーニング生活衛生共同組合連合会の「クリーニング事故賠償基準」では、スーツの使用年数を2~4年に設定しています。

さすがに3年以上着古して減価償却が終わった価値ゼロのスーツを着るのは利用者が嫌がると想定されます。ですので、3年経ったらスーツ刷新、というのが最低限のサービス水準として妥当でしょう。

3年ごとに50億円分のスーツを確保することになるので、年間の負担額は17億円と見積もります。

4. 配送とクリーニングで1回あたり3000円の負担

スーツを用意するのにも費用がかかりますが、配送とクリーニングにも費用もかかります。

これらはどのくらいかかるのかイマイチ勘所がないのですが、まず配送料は往復で計2000円くらいと置きましょう。60cmを超えるサイズで関東圏内だとクロネコ宅配便は片道1000円を超えてきますし、法人契約で安くなるとは言え、ユーザーは関東圏外にも一部いるであろうことを考えると往復で2000円くらいが落としどころかなと思った次第です。

クリーニングですが、これはAOKIならでは独自のネットワークや施設がありそうですし、そのへんのクリーニング屋さんに頼むより相当安く済みそうです。スーツ2着にシャツ3着にネクタイを合わせて・・、いやわからん!1000円くらい?そうしよう、そうします。

というわけで配送とクリーニングで3000円の費用がかかります(言い切る勇気)。

5. 1万人の利用者がいると、年間で利益1億円

月額料金は1.8万円でした。配送とクリーニング代の3千円を抜いて、1.5万円がAOKIの手元に残る金額です。

年間の売上は、1.5万円×1万人×12か月=18億円となりました。 

スーツに年間17億円かかる計算でしたので、1万人のユーザーがいれば1億円の利益が毎年出せそうです。

気を付けてほしいのは、これはベストシナリオという点です。

ボックスの返却が遅れる利用者が多くてボックスが足りなくなった、という事態も十分に想定されますし、バッファとして多めにスーツを用意する必要があるはずです。なので、2万個のボックスでは対応できず、2万個を大きく超える数が必要になるでしょう。2万個の2%の400個をバッファとして持つだけで赤字転落になります。アーメン。

そうなってくると、赤字の可能性が極めて高いと言わざるを得ません。少なくとも店頭販売したほうが儲かります。

また後述しますが、コーディネーターの人件費やボックスにスーツを詰める作業にかかる費用、広告宣伝費・・・、ここで考慮していない諸経費はたくさんあります。

25万円のボックスでは赤字待ったなしだと思われます。

サブスクリプションで儲けようとするなら、安いスーツを提供して原価を抑えるしかないのですが、例えば3万円のスーツ(中古)を毎月2着着るために2万円出しますか?という話になってきます。

更なる問題点 コーディネーター不足

さらにスケール化するにあたって、重大な問題があります。それは人材不足です。

スーツボックスでは、利用者のリクエストに応じてコーディネーターがスーツ・シャツ・ネクタイのコーディネートを考え、おすすめポイントをそれぞれの会員ページ上で解説してくれます。「トレンドのXXカラーをベースにさわやかさを出すようシャツとネクタイには鮮やかな色を組み合わせています。」みたいなコメントがそれぞれのコーディネートについてくるんです。

つまりこれ、めちゃめちゃ労働集約的な作業をしているわけです。

これやばくないですか。しかも目標1万人って。1人スーツ2着だとして、コーディネートは2万通り。ユーザーのリクエストを読んで、コーディネート考えて、コメントを各ユーザーに送る×2万回。30分で1コーデやるとしても、コーディネーター1人あたり16コーデ/日、320コーデ/月。2万コーデ対応には、63人の専任コーディネーターが必要です。

この仕事やりたい人っているでしょうか?いないと思います。

いたとしても63人もコーディネーターを雇ったら大赤字です。

店舗スタッフに空き時間にやらせる、という方法もあるかもしれませんが、持続可能性に?です。AIにやらせるしかなさそうです。

結論 利益が上がる仕組みを整える前の見切り発車だった

サブスクリプション向けにスーツを回すよりも普通に店頭販売した方が利益が上がる。

スケール化しようとしても、コーディネーター不足に直面して無理。

⇒スーツボックス、やめようか

ユーザーを惹きつけるサービスができていたか、という点に関しては、利用者が多く集まったことから及第点に達していたでしょう。実際、私も使っていて楽しく、まわりの人に勧めたくなるサービスでした。

しかし、利益が上がる仕組みにはなっていなかったのでしょう。しかも、スケール化してこれから利益が上がるんだ!という方向性もコーディネーター不足で見込みが薄い。音楽配信サブスクリプションなどと異なり、スケール化しても限界費用が小さくならないビジネスモデルであるため、サブスクリプションにはあまり向いていなかったと言わざるを得ません。

せめてスモールスタートでデータを収集して、コーディネートはAIが考えてくれるんです、という形での本リリースにまでもっていけていたら。余剰在庫の活用で十分に利益が出るほどに原価を抑えられていたら。うまくいったかもしれません。

もしかすると前社長が功を焦ってとにかく実績がほしいということで、利益が出るビジネスモデルをきちんとつくる前に見切り発車させたのかもしれません。

コンセプトは面白かっただけに、事業終了は残念です。

この教訓を活かして、そして下の本面白かったからこれでサブスクリプションモデルのビジネスモデルを勉強して、次のリベンジを!AOKIさん!待っています!

 

サブスクリプション――「顧客の成功」が収益を生む新時代のビジネスモデル

サブスクリプション――「顧客の成功」が収益を生む新時代のビジネスモデル

 

スーツボックス(suitsbox)を利用してるのでレビューを書いてみる

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シェアバイクで通勤し、Uber Eatsで飯を食う。

どうも、シェアリングの申し子です。

先月(2018年9月)から、スーツのサブスクリプションサービスである「suitsbox」を利用しているので、どんなサービスなのか、そして利用してみた感想などなど、ここで書きたいと思います。
(*一時的に新規受付停止(2018年10月現在)してるみたいだけど、きっとすぐ再開するよ!)

スーツのサブスクリプションってなんぞ?

サブスクリプションとはなんぞ?という人もいるでしょうが、昔からあるわかりやすい例でいえば、雑誌の購読とかがこれにあたります。

毎月、定額料金で新しい雑誌が勝手に家に届く。
このスーツ版が、スーツのサブスクリプションになります。

つまり、毎月新しいスーツが家に届きます。
私が利用中のコースだと、毎月2着スーツが届きます。そして代わりに先月届いたスーツを送り返します。

ちなみに「スーツが届く」と言っても新品のスーツが常に届くわけではありません。基本的には既に誰かが着たことのあるスーツがクリーニング等のメンテナンスをされた上で届くことになります。初回は私のもとには、糸がついたままの新品が届きましたが。笑

類似のスーツのサブスクリプションサービスだと、Durbanでおなじみのレナウンも「着ルダケ」というサービスを展開していますが、そちらは毎月新しいスーツを着れるわけではなく、2年間で4着のスーツ提供といった形です。

着ルダケは、新品のスーツを届けてくれますが、種類も5種類からの選択となっており、スーツボックスと比較するとちょっとバリエーションも乏しい印象です。
 

どこがやってるの

スーツボックスを展開しているのは、皆さんご存知「AOKI」です。世界のAOKIです。

なので、スーツのバリエーションと品質には安心感があるように思います。
 

いくらするの

サブスクリプションのコースは3つから選択できます。

Economy:7800円(税抜き)、スーツ1着、シャツ1枚、ネクタイ1本

Light  :15,800円(税抜き)、スーツ2着、シャツ3枚、ネクタイ2本

Standard:24,800円(税抜き)、スーツ3着、シャツ5枚、ネクタイ3本

ちなみに私はLightコースを利用してます。既に2~3着くらいスーツを持っていれば、2着届けば毎日違うスーツが着れますし、値段的にもLightが一番コスパいいかなと思って個人的にはおすすめです。

どんなスーツが届くの?

スーツ、シャツ、ネクタイは専門のコーディネーターさんがチョイスして送ってくれます。スタイリングは大きく3種類から選べます。

「ベーシックスタイル」
暗めな色や目立たない柄が多い。地味にならないようにベスト・チーフ付きが多め。

「トレンドスタイル」
明るめな色や目立つ柄、ダブルなど強いトレンド性が強め。

「ジャケットスタイル」
幅広い色と柄を、上下セパレートで提供。

色の希望や職業柄こういうのはNG、などは文章で伝えられます。

「クールで知的な感じでお願いします!」とか送ったのは私です。

どの価格帯のスーツが届くの?

 届くスーツの価格帯ですが、7~10万円くらいのようです。
スーツボックスがMakuakeというクラウドファンディングで実験的に資金調達(AOKIの新規事業なので、資金調達というよりも関心のあるユーザーの層なんかを見極める狙いが強かったみたいですが。)していた際に以下のような記載がありました。

①高品質、高機能、ワンランク上のアイテム

『suitsbox』では、優れたスーツをたくさん着て、ビジネスライフを一段格上げしていただくことを目指しています。
そのため、提供するセットは販売価格にすると70,000円~100,000円台を中心とし、高級・高品質インポート生地、有名国内工場での縫製、高機能性素材、高機能加工などを備えたアイテムを提供します。(※一部異なる商品もあります)

www.makuake.com

 

配送と返品は?

配送ですが、家に大きめの段ボールのボックスで届きます。宅配ボックスには入らないでしょうね、はい。

返品は、基本的に次のスーツが届いてからで問題ありません。前月に送られてきたボックスに詰め直して郵送する形です。特にシャツやスーツをクリーニングして返す必要はありません。

実際つかってみてどうなの?

説明が長くなりましたが、ここから実際に使ってみての感想です。

いいところ

・マンネリ化の全撤廃
スーツって、この人は大体いつもこれ着てるな、みたいな固定的な印象がありません?よほどおしゃれな人じゃないと、そんなに何着もスーツ持ってないですしね。

とあるアンケート調査によれば、日本のサラリーマンは4~6着くらいのスーツを平均的に持っているらしいです。夏服と冬服、それぞれ2~3着といった感じでしょうか。
1シーズン3着のスーツをずっと着ていると、そりゃあこいついつもこれ着てるな、となるわけです。

スーツボックスだと毎月2着新しいスーツが届きます。
これスゴくないですか。
こいついつもこれ着てるな、がなくなるわけです。
毎月、2着もスーツが変わるなんて、もうそのへんのお洒落さんを凌駕できます。

・オシャレ
普通にオシャレです。
スーツ、シャツ、ネクタイ、この組み合わせをプロが選んでくれます。
ここがポイントですよ、的なコーディネーターのコメントが自分のアカウントページで見れますし、送られてきたスーツ、シャツ、ネクタイのおすすめコーディネート例も写真で見れるわけです。
なかなか自分じゃ選ばないスーツにも勝手に挑戦できちゃうわけで、プロが選んでるし、というお墨付きも何だが自信をもって着れる感じ。

ああ、おしゃれ。自動でおしゃれ。

 

・季節に応じたスーツが手に入る

みなさん、秋用のスーツ持ってますか?
私は持ってます、そうスーツボックスだからね。

毎月送られてくるので、季節に応じたいい感じの厚みの生地のスーツが届きます。夏と冬の二択ではなく、その中間の生地のスーツが着れるのは嬉しいところです。

 

・クリーニング問題の解決

スーツ、いつクリーニング出そう。。
これから解放されます。毎月クリーニングに出してるようなものですし、スーツの数が増えるので、もともと持っていたスーツも余裕をもってクリーニングに出せます。

よれよれのスーツとこれにてお別れ。

・良い話題になる

 実はこのスーツ、サブスクリプションなんすよ。
結構、食いつき良い人が多いです。最新のビジネスモデルに乗ってるアーリーアダプター感も悪くないぜ。。

 

悪いところ

・ちょっと高い

15,800円。やっぱちょっと高いですかね。
届くのは安いスーツでいいから、1万円くらいの価格帯でサービス提供があると最高かも。

ただ、個人的には上で述べた良いところを踏まえれば、十分なコスパかなと思ってます。今持ってるスーツにもなんだかんだ、1着5万くらい出してますし。


・サイズぴったりを一発で引き当てるのムズイ
自分は平均体形なので、それほどサイズ感には困ってません。
が、最初に注文したときはシャツのサイズがやや大きかったです。

ちなみにスーツは、股下なんかは測ってそのサイズで希望を出します。
初月はサイズ交換無料ですし、サイズの変更も次の配送までに伝えれば次からは反映されるはずなので、そこまで困ってもいなかったり。 

 

・返品ちょっとめんどい

うん。ちょっと面倒です。

 

今後の展開

これ、いいサービスだと思うんですが、スケールするのが大変そうです。
なんでかっていうと、今のままだとスケールするにはコーディネーターの数をめちゃめちゃ増やさないいけないからです。

スケールするために方法は1つ。AIがコーディネーターになればいいわけですね。
AIがおしゃれなスーツ、シャツ、ネクタイの組み合わせを学び、即時にお客さんの希望に合ったコーディネーターを提案する。

AOKIもAIのような技術活用を重視しているらしいので、まずスモールスタートでデータを貯めつつ、ユーザーのニーズやどのくらい売り上げが立ちそうかなんていったところを見ているのでしょうね。

使っていて便利で、テンションも上がるのできっとこういうモデルは増えるんだろうと私は思っています。AIコーディネーターと高級&定価価格サービスが出れば、いっきに普及しそうかなあ。

みなさんもぜひお試しあれ。

 

どんな人がタイプなんですか、という難問に「ちょうどいいブス」こと相席スタート山崎ケイさんが最適解を出していた件

「どんな人がタイプなんですか」

 

こんなにも人類を長きにわたり苦しめている問いはあるだろうか。

あるとしたら、あとはリーマン予想くらいである。

答えなき問いである。

 

しかし、答えのない問いに答えを出す(出した風に見せかける)のが戦略コンサルタントである。

 

というわけで、最適な答え方をここで考えて行こうと思う。

 

 

ところで、「相席スタート」というコンビの芸人をご存知だろうか。

相席スタートの山崎ケイさんは「ちょうどいいブス」を自称しており、実際そんな感じである。(失礼か!)

 

この山崎ケイさんが、この問いに対して答えを既に出している。

リーマン予想級の問いに答えを出すとは、山崎ケイさんの脳は量子コンピュータだと断言して良い。

 

山崎ケイさんは、タイプを聞かれたときこう答えるというのだ。

 

「わたし、大泉洋さんみたいな人がタイプです」

 

これが山崎量子コンピュータが生み出した模範解答である。

 

 

そもそも「どんな人がタイプですか」と聞いてきた人は、どんな意図を持ってこの問いを投げかけているのだろうか。コンサル風に言えば、インテントは何か、ということである。

 

この問いがなされる場所は、合コンである。

合コンしかない。

 

合コンの目的は、素敵な異性をゲットすることである。

 

つまり

①この子は素敵な人だろうか

②俺でもこの子をゲットできるだろうか

 

の二つのサブ論点を解けば合コンdoneである。

 

「どんな人がタイプなんですか」

 

これはつまり

 

①この子は素敵な人だろうか

②俺でもゲットできるだろうか

 

の二つを同時に解明しようとしているのである。どちらか一つならともかく、二つ同時にアプローチしてくる点が、この問いをリーマン予想級の難易度へと変貌させているポイントである。

 

だから「好きなタイプはオードリーヘップバーンです」とか言ったら終わりである。

 

高飛車で嫌な感じするし、まずオードリーヘップバーンみたいな女性はいないし、完全に赤点である。

 

面食いじゃなくて、性格重視なんです

けどそれをあからさまに伝えすぎない

 

このあたりを絶妙なバランスで伝える…

 

そうそれが

「好きなタイプは大泉洋」なのである。

 

なんか、

「好きなタイプは福士蒼汰です」

よりも

大泉洋です」

 

の方が、この子いい子だな、て思いません?

 

それになんか、俺でも手が届きそうな気がする。

 

モテる…

 

好きなタイプが大泉洋な子は

 

…モテる

 

だって、いい子で手が届きそうなんだもん。

 

 

 

女性の模範解答は、山崎量子コンピュータが出してくれましたが、果たして男性側の模範解答は…

 

うーん

うーーーん

 

水卜ちゃんあたりでどうでしょう?

 

 

 

ちなみに私のタイプは、新垣結衣です。(爆)

コンビニ蕎麦のわさびが「んぶっ」てなるくらい辛い

コンビニでそばを買ったことはあるだろうか。私はある。

 

「まだ買ったことない。」

という人のために一つだけ忠告しておきたい。

 

あやつ、わさびまじ辛い。

あやつ、わさびまじ辛い。

 

大事なことなので先生、二回言いました。

 

 

平日のある日、お昼にぶらりと立ち寄ったコンビニ。

白米の気分じゃないんだよなあ、んで昨日ラーメン食べたし、なんか体にいいもの食べたいなあ、と入店した瞬間からわがままモードで店内をうろつく俺。

 

健康的なもの食べたいなら、そもそもコンビニに来んなよ、的な声が聞こえてきそうだが、そんな声も野菜ジュースも華麗にスルーしてよさげな健康フードを探す。

 

そこで目に入ってきたのが蕎麦である。

 

私の中では

蕎麦>うどん>ラーメン

という健康ランキングが出来上がっている。

ちょっとググってみたが、蕎麦には「ルチン」やら「イノシトール」やらが含まれており、心筋梗塞とか動脈硬化とか健康食品が大体いつも効き目を発揮するそのへんにやはり効果を発揮するとのことだ。

さすがは蕎麦。麺類界のいぶし銀健康スター。イニエスタ

 

さらに温め不要なのも急ぎのランチにぴったりである。

 

蕎麦よ、お前こんなにも素晴らしい食材だったのか。

 

褒め讃えているうちにテンションが上がり、俺氏ご満悦である。

コンビニのそばには「麺」「つゆ」「ネギ」「わさび」「麺ほぐすようの水」が入っている。

 

つゆを入れ、ネギを入れ、わさびをつゆに溶かし、蕎麦を食べる・・・

 

「んぶっっっ」

 

麺を吸い込んだ瞬間にげふんとむせるほどのわさびの辛さ。

スーパーなんかで寿司を買ったときについてるわさびの比ではない。

先日、チェーン店の蕎麦屋さんにいって、1口パックに入った蕎麦を溶かして食べたが、やはりこれほどの破壊力はなかった。

 

さっきまで、麺類界のイニエスタと褒めちぎっていたのに、ここにきてまさかのトラップミスである。わさびトラップである。

 

ランチタイムのオフィスに蕎麦を食べてせき込む自分の声がこだまする。

ちょっと顔が赤くなって汗が出てきたのは、恥ずかしいからではない。

ルチンとイノシトールのせいである。このイノシシめ。

 

なんで、こんなにピンポイントで辛いわさびを採用しているのか。

わさびシナジーを巻き起こすようつゆに秘密が隠されているのか。

 

しかし辛いとわかって食べればどうってことないのであr・・「んぶふっっ」

 

ちなみに別の日にあらためて食べたときもむせました。

みなさんもオフィスでコンビニのざる蕎麦を食べるときはお気をつけて。。

ベルリッツに通ったらTOEICスコアが900点超にまで上がった話

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「ベルリッツ」。きっと聞いたことある人も多いでしょう。

社会人向けの英会話教室としては日本最大手に分類されるであろう、あのベルリッツです。ちなみにベルリッツはBenesse系列です。

会社の研修費用負担制度をうまいこと活用しまして、そのベルリッツの40回個人レッスンコース(先生とのマンツーマンのレッスン)を受講してきたので、レビュー的なことを書こうと思います。
英会話教室通ってみようかな、と思ってる方の参考になれば幸いです。

ベルリッツの概要と当時の自分のスペック

ベルリッツにはグループで受ける授業(プライベートレッスン)と先生と1対1で受ける授業の2タイプがあります。私が受講したのはプライベートレッスンの方です。

1レッスンは40分と短時間です。先生は外国人の方で、毎レッスンランダムで先生が変わります。アメリカ、カナダ、オーストラリア、イギリスあたりの先生がいたと記憶しています。

価格はというと、40レッスンで約35万円です。たけえ!!
会社が全額負担してくれたので私は通いましたが、なかなか個人では出しにくい金額かな・・と思ってしまうところです。

ちなみに当時の私の語学スペックは、TOEIC800点半ばでした。なお、語学の勉強は嫌いで自主的に勉強しようとは基本的に思いません。必要に迫られて渋々勉強するタイプです。
語学が嫌いなのは自分でもよくわかっているので、強制的に英語に触れる環境に身を置くようにして、語学力を向上させるのが基本戦略です。 

どこの教室に通うかを決めて申し込み

ベルリッツに入る際、まず最初に選ぶのはどこのベルリッツに通うかです。東京であれば新宿や品川、大手町などなど比較的多くの拠点を構えています。18年現在、東京には28の拠点があるようです。

教室選びでは、なるべく会社か家から近いところに通うことが重要です。1レッスン40分しかないので、10分の遅刻でもダメージは大きいので!笑

いざベルリッツへ。レベルチェックテストを受講

初めてベルリッツに行くと、レベルチェックテストなるものを受けることになります。
筆記テストではなく、外国人の先生と15分ほど自己紹介など気軽にしゃべります。

ベルリッツのレッスンは、話すこと、聞くことに焦点を当てているので、どの程度話せて聞けるかのレベルをここで見ているようです。読み書きはできても話す方はさっぱり、という人はTOEICの点数が高くてもやや低いレベルからレッスンが始まることもあるようです。

自分はレベル6かレベル7…うーん、レベル6で、て感じでレベルが決まりました。 

レッスンの内容はどんなものだったか

いつレッスンに行くかは自由

私はレッスンを受けに行く日時は固定しておらず、レッスンを受ける日時は、前日の15時までにメールで連絡するスタイルでした。既に予約がいっぱいになっていなければレッスンを受けられます。

ただやはり土日や平日の夜は比較的予約が埋まりやすいので、レッスンを受けた帰りに次のレッスンの予約をしておくとよいです。
キャンセルも前日のお昼頃までに連絡すれば、特にペナルティーはありませんでした。

マンツーマンで授業は雑談メイン!?

自分はマンツーマンでのレッスンでしたので、講師の方と2人きりでのレッスンです。教材があるので、その教材に沿って文法やビジネスシーンで使える表現を学んでいくのが通常スタイルです。

ただ、私の場合、あまり教材を つかいませんでした。笑
1レッスンで1チャプター終わるはずなんですが、2レッスンで1チャプター程度の進みでした。

教材を使わずに何をしていたかというと、雑談です。すぐに話が脱線します。
「ウナギを英語と何ていえばいいと思う?」「eelでしょうか」「逆にUnagiと伝えたほうがよかったりするんだ。特に食べ物や文化的なものは、固有名詞で伝えたほうが盛り上がるケースが多いね。」「ははー。あ、でもとんかつは微妙ですね。トンカツのままいくかポークカツレツかどっちでしょう」「ポークカツレツだ!」「「ははは」」
みたいにワイワイと先生と話をしていました。

トランプ大統領をどう思うか、とか、最近アメリカではすっかりUberが市民権を得たよ、とか、旅行に行った国の話・・などなど、毎回雑談の中で英語をしゃべり、適宜その表現はちょっと変だよ、それを言いたいならこの単語だね、など教えてもらっていました。40分のうち、雑談20分、教材20分といったところでしょうか。

濃密な雑談こそがプライベートレッスンの価値

レッスン後のアンケートに雑談を少なくして教材メインにしたいか?といった質問項目があったのですが、私としては雑談することに価値を感じていました。

教材を進めるだけなら自分でもできますし(ほんとにやるかどうかは置いといて)、せっかく先生と2人で話せるならなるべく話をする時間を多くしてそこから学びたいと思っていました。
プライベートレッスンだと、ランチレッスンやコーヒーレッスンといって、外にご飯やコーヒーを飲みに行きながら丸々40分雑談するというレッスンもありました。

私の場合、よく先生に言われたのは「第二言語話者の英語のスキルとしては概ね問題ない。伝えたいことはある程度伝えることができているし、こちらの意図も通じる。ただ、正しい表現で伝えるという点ではまだまだ改善の余地がある。つまり、今の君はヘンな英語をしゃべる第二言語話者だ。そこを直していこう。そして、ネイティブ同士の会話にもついていけるようにレベルの底上げを目指していこう」ということでした。

多少、先生によって相性の良し悪しはありましたが、先生の質、教え方には大きな不満を感じることはありませんでした。多様なバックグラウンドの先生と話ができ、楽しい時間を過ごすことが多かったです。

効果はあったのか

主観的には、しゃべるスキルは上達したかなと感じました。自分の言いたいことをヘンな英語で何とか伝えたあと、先生が正しい英語に直してくれるので、段々と自分の言いたいことがスムーズに言えなくてもどかしい、という場面が減ったように思います。
そして多少は、ヘンじゃない英語に修正できたはずです。
何より、英語を話すことへの抵抗感がなくなったのが大きかったかもしれません。

客観的な指標としては、受講終了直後に受けたTOEICが915点にまで上がりました。特にリスニングが485点と非常に優秀でした。(たぶんまぐれ)
受講前と比べて、TOEICは50点ほどのスコアアップになったので、客観的にも英語のレベルが上がったと言ってよいのかなと思います。

いかがだったでしょうか。ベルリッツに通う前に、巷にベルリッツレビューが多くなかったので書いてみましたが、みなさんのお役に立つ情報が少しでもあれば嬉しいです。それでは。

なぜ東大を出るようなエリートが自殺を選ぶのか。なぜ会社辞めればいいじゃんが通用しないのか

2015年に電通に勤めていた高橋まつりさんが自殺を選んだことは大きなニュースになりました。東大を出るほど、そして日本を代表する企業に就職できるほどに優秀な人がなぜ自殺という道を選ばざるを得なかったのでしょうか。

会社辞めればいいじゃん。という声が聞こえてきそうです。

私も以前までそう思っていました。

ただ会社に入って働く中で、私自身うつ病の入り口が見えるくらい追い込まれた時期があり、自殺という事象がやたらと近くに感じられました。そのとき自分がなぜちらっと自殺がよぎるくらいに追い込まれていったのか、そのときどんな思考回路に陥っていたのか、ここに書いておこうと思います。

追い込まれがちな激務職種「外資系」

東大卒、みたいなエリート層がなぜ自殺を選ぶのか、ググってもろくな記述が出てきません。少なくとも自分はこうやって追い込まれていった。そしてそこにこんな要素が加わっていたらたぶん本気でやばかった。そういう私の経験にしっくりくる記事が1つも見当たらなかったので、なら自分で書いておこうと思った次第です。

では早速、精神的に追い込まれていったステップを3つにわけて解説していきます。

①激務だが一生懸命仕事をし、それを全否定される

外資投資銀行コンサルティングファーム、そして有名な大企業に勤務している人にとってはある程度の激務は避けられないものです。初めに言っておくと、激務だけでは追い込まれません。以前、毎日0時過ぎまで仕事をしていたプロジェクトにいましたが、チームメンバーが本当に良い人たちでほとんど苦に感じませんでした。

ですが、激務なうえにそこでこなした仕事を徹底的に否定されるとなると話が変わってきます。そして、そこに人格を否定されるかのような発言が上乗せでくると、いよいよまずいことになってきます。

当時1年目だった私は、クライアントの現場に1人で放り込まれ、とあるプロジェクトのPMO、つまりプロジェクトの管理を任されました。プロジェクトの管理なんてしたこともない新卒1年目ですから、当然ぽろぽろとボロを出します。何とかしようと土日に出勤して仕事を巻き取ったり、朝5時まで仕事をしたものの、ついにクライアントからもっとこういう風にしてほしい、といったクレーム(要望?)があがりました。

そのとき先輩に言われたのが

  • コンサルとして仕事している価値がない
  • まるで信頼できない
  • 小学生並みのアウトプット
  • もっと自分の仕事ぶりを考えたほうがいいですよ

といったことでした。本当につらかった。

まあイケてない仕事の進め方をしていたのは確かにそうなんですが、今の論点はそこではないので置いておきます。笑

イケてないなりではありますが、精一杯頑張った結果を「無価値」「小学生」と断定されるとかなりメンタルに来るものがあります。大きな失敗と罵倒。これが第一ステップです。

②ああ。自分ってこんなにも無能だったのか。と気づく

自分が「無価値」で「小学生並み」の仕事しかできないと言われれば、それはプライドはずたずたです。こういう状態では最初は無意識的に「俺が悪いんじゃない」と言い訳がましくなるフェーズがやってきます。私の場合は「そういう言い訳がましいところ、ほんと直した方がいいですよ」との先輩の一言でぶった切られましたが。笑

そして「ああ。この人はほんとに俺のことを無能だと思ってるんだなあ」ということを先輩の言葉や態度の節々から感じるようになります。

こんな感じのメンタルで仕事をしているとパフォーマンスが上がりません。常にびくびくし始めます。そしてまたミスを犯します。ここまでくると自分でも自分に嫌気がさしてきます。

そのうち印刷すべき資料を間違える、みたいな自分でも言い訳のしようがないしょうもないミスを犯したりして、本当に自分はどうしようもない無能であると自分のなかでも結論が出ます。
客観的な無能評価と己が無能であると自分自身も納得せざるを得ないファクトが生まれ、自己評価も「自分は無能」で決着。これが第2ステップです。

③すべてのミスの原因が「自分が無能だからである」に帰着する

さて、客観的にも主観的にも自分が無能であることがわかりました。そうするとどうなるでしょうか。

あらゆる仕事のミスの原因が1つに集約されます。そう、「自分が無能だから」です。会議のアジェンダをうまく設定できないのも、資料がうまく作れないのも、議事録すら注意されるのも、何もかもは「自分が無能だから」うまくいかないのであると帰着します。

このフェーズにまで来ると、本当に会社に行くのが怖くなります。睡眠不足か過剰睡眠、食欲がなくなるか異常に食欲が出るか、身体的にも異変をきたし始めますし、著しく気分が落ち込むなど精神的にもちょっとそのへんの「会社行きたくない」どころじゃないレベルで会社に行きたくなくなります。

④会社辞めて転職しても絶対うまくいかない気がしてくる

そして、この状態の本当に怖いところはどんな解決策も通用しなくなることです。

「ミスの原因はこれをしなかったことだから、次からはこうすればうまくいくよ」と優しい上司に言われたとしましょう。ダメです。ミスの原因は「私の無能」にあるのですからどんなやり方をしても「私が無能」である限りうまくいかないのです。

「会社がそんなに嫌なら、追い込まれる前に辞めたほうがいいよ。自殺するくらいなら会社辞めなよ」

意味がありません。今のつらい状況の原因は「私が無能」であることが招いた必然的な結果です。つまりどんなに会社を変えても、環境を変えても「私が無能」である以上は必ず今のようなつらい状況が再現されるはずです。

「私が無能」であることが諸悪の根源であり、「私の無能」を解決しなくては人生は永遠にうまくいきません。しかし、私は無能なのです。客観的にも主観的にも。

もう本当に自信がなくなりました。どこに転職してもまったくうまくいく気がしません。もはや積極的に問題を解決しようという気力さえなくなってきました。そんな私はなんてダメなやつなんでしょうか。しようがないのです。私は無能ですから。あーあ。なんかもう何もかもうまくいかないんだろうなあ。明日も明後日も会社にいって、先輩から蔑まれた視線を浴びて仕事をするのか。死んだほうが楽しい。

生きているつらさ>死ぬことのつらさ

であり、私が無能である以上、どんなに環境を変えても生きているつらさは必ず再現される。

私の場合、こんな感じで追い込まれていきました。

はい、まとめのスライドです。

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なんで耐えられたのか

私の場合、幸運なことがいくつかありました。

  • プロジェクトの期間が限られているから、あと数か月耐えればこのプロジェクトから出られる、という逃げ道があった
  • 愚痴れる友達と同期がいた
  • 自分はこんなメカニズムで追い込まれてきている、と分析してそれを話せる友達がいた
  • 6時間は毎日寝られるくらいに労働環境が落ち着いてきた
  • 以前仕事をした上司からの定量的な評価の通知

以前一緒に仕事をした上司から、自分の評価を点数という定量的な形で教えてもらう機会がありました。思いのほか悪い評価ではなく、高い評価をもらっていました。客観的「私は有能」評価をもらえたことは何よりも大きく、「私は無能」スパイラルを断ち切るきっかけになりました。

逆に言えば、この状況にあとどのくらい耐えればいいのかもわからず、毎日ろくに寝られないくらい仕事があり、愚痴れる同期や先輩もいなかったなら、たぶんやばかったでしょう。

当時は交通事故にあって骨の2、3本でも折れば1か月くらい休めてそのままプロジェクト抜けれないかな、スクーターあたりをレンタルしての自損事故がいいかな、とわりと本気で考えたりするくらいにはやばかったです。

私の追い込まれ方が私以外にも一般化できるものなのかはわかりません。

そして確たる解決策も提示できていません。

でもきっと仕事に追い込まれてこのままでは鬱病一直線、、という優秀な人たちが世の中にはたくさんいるはずです。そんな人たちがふと自分の心を冷静に見るきっかけになってもらえたら。追い込まれているのはあなただけじゃないよ、と少しでも心強く思ってもらえたら嬉しいです。

今日はこんなお話でした。ではでは。

 

コンサルって激務なの?はこちら。

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現役戦略コンサルが解説!戦略コンサルと総合コンサルの違いとは?

戦略コンサルファーム、そして総合コンサルタファーム、はたまたITコンサルに人材コンサル。世の中にはいつのまにかコンサルタントと呼ばれる人たちが大量発生しております。

かくいう私もその中の一人。。戦略コンサルタントという肩書を背負って外資系のコンサルティングファームで仕事をしています。

就活生のとき、戦略コンサルと総合コンサルの違いが特によくわからなかったのを覚えています。コンサルティングファームで働きたい、という人の中にもそこの違いがよくわからない、という人が多いのではないかと思いますので、今回はその辺を記事にしました。

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パワハラ怖いよ・・はこちら。 

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戦略コンサルタントってどこの誰のことを指しているの?

戦略コンサルタントは、弁護士や会計士のように資格を取得しないと名乗れない職種ではありません。XXコンサルタントが大量発生するのはこのせいですね。

戦略コンサルタントってどこの誰のことやねん!ということで、まずこの記事における戦略コンサルタントを定義しておきましょう。

戦略コンサルタント・・
それは「戦略コンサルティングファーム」に勤務している人

それじゃ説明になっとらんやないかい!じゃあ戦略コンサルティングファームってなんやねん!

はい、代表的な戦略コンサルティングファームは以下の7社です。業務内容ではなく、by nameの会社名で定義してしまいましょう。

まずはピュアストラテジーファーム5社。つまり戦略コンサルティングだけして飯を食っています、という企業が以下になります。

その他、戦略コンサルティング部門を独立した1部門として持っている企業としては以下の2社が代表的です。

戦略コンサルティングファームはBIG 3と言われますが、マッキンゼー、BCG、ベインの3社がビッグネームで、ブランド的にも頭一つ抜けています(特にマッキンゼーとBCG)。

アクセンチュアPwCには総合コンサルやITコンサル部隊もいますが、戦略コンサル部門は独立した1部門となっており、そこに勤めている人は戦略コンサルタントと定義して問題ないでしょう。マッキンゼーやBCGから来たり、行ったりという人材移動も多いので。

ちなみに総合コンサルティングファームと呼ばれる代表的な企業の名前も挙げておきましょう。

小規模な独立系のファームも多数ありますが、大きめのコンサル部隊を持つファームはこんなところでしょうか。(漏れてたらすみません・・!)

戦略コンサルティングファームの特徴

無事に戦略コンサルタントの定義も終わったので、次は戦略コンサルティングファームの特徴を見ていきましょう。

 戦略コンサルティングファームの特徴
①ビジネスの最も上流に携わる(ことが多い)

上の図表で示したように戦略コンサルタントはクライアントの抱える問題の中でも答えの出ていない領域、つまり「そもそも何をするべきなのだろうか」というところに答えを出すことが仕事になります。

Amazonがすごくてこのままじゃやばいのはわかってるんだけど、いったいどうしたらいいんだ!!??」

「自動運転?人工知能3Dプリンター?何やら凄そうなテクノロジーが出てきて、この波に乗り遅れたらまずいような気はしてるんだけど、どうすればいいの??」

 このレベルの相談がプロジェクトになります。

一方で総合コンサルは、もう少し「何をするか」が決まった断面からの仕事が多いような印象です。

Amazonに対抗すべく、この事業を展開しようと思う。新規組織も立ち上げたが、ここでは案件進捗管理を重視した科学的な営業をとりいれたい。営業ツールの導入も含めて支援してほしい」

こんなイメージです。

戦略コンサルティングファームの特徴
②クライアントの役職が高い

戦略コンサルティングファームのプロジェクトは基本的にCXO(CEO、CFO、CTOなどの経営幹部)が相手になることが多いのが2つ目の特徴です。

戦略コンサルティングファームのお偉いさんたちは、名だたる企業の社長や副社長レベルの相談相手、というポジションを確立しています。

CXOとサシで話をするなんてことはコンサル経験20年くらい経たないと難しいでしょうが、新米コンサルタントにも重役に見せる資料をつくる、少しプレゼンをする、という機会は転がっており、他の職種では得難い経験が得られるとも言えるでしょう。

戦略コンサルティングファームの特徴
③少数精鋭である

戦略コンサルティングファームは採用人数が非常に少ないです。新卒であれば毎年10人程度の採用のところがほとんどではないでしょうか。総合コンサルは100人以上の採用ですから、少数精鋭志向が強いと言えます。

考えることが仕事であり、プログラミングを書く、システムを開発するなどの人手を要する仕事が少ないことが少数精鋭の理由です。使えない奴10人より、優秀な奴1人がいた方が議論も進むし、良い戦略が練られるというわけです。

逆に総合コンサルの場合は、システム開発や業務改革プロジェクトのマネジメントをすることが非常に多い印象です。実際の開発まではやらないケースが多いでしょうが、いつまでにどんなタスクをこなすべきかというToDo・スケジュール管理、上長への進捗報告資料の作成、遅延した際のリカバリープランの策定といったプロジェクトマネジメント業務が大部分を占めるかと思います。

戦略コンサルティングファームの特徴
④単価が高い

戦略コンサルタントを1人雇う場合の単価ですが、総合コンサルタントを1人雇う単価と比べ、1.5~3倍ほどかかります。その分、プロジェクトの期間は短く、アサインされる人数は少なくなる傾向にあります。

高単価で大人数を長期間雇っていたら、クライアント先が息切れしてしまいますからね。。

戦略コンサルティングファームの特徴
⑤その他

  • 給料が高い(総合コンサルの1.5~2倍程度の給料)
  • クライアント先に常駐するプロジェクトが少ない
  • 優秀な人材の割合が高い
  • Up or Outの社風が根強い

 

さて、ざっくりと総合コンサルと戦略コンサルの違いを説明してきましたが、どこが違うかわかってきたでしょうか。

そしてなぜ戦略コンサルタントには、「俺、戦略だから」と選民思想を持つ輩が一定数いるのかもお分かりいただけたでしょうか?笑

お偉いさんを相手にし、給料も高く、少数精鋭で仕事をしているからですね。しかし単価が高いとは言え、所詮小規模なので、総合コンサルやITコンサルを持つ企業の方が売上は大きくなります。マッキンゼーがどんなに優秀でも売上10兆円は無理なのです。

ビジネスとしては、長期の契約を大きな金額で結ぶことができるシステム開発部隊の存在が大事だったりするわけで、安定した売上を立てて会社を支えているのはITコンサルや総合コンサルだったりします。

もっとイメージを掴みたい人はこれを読もう

戦略コンサルはそもそもどんなプロジェクトをスタートさせるのか、というビジネスの根っこから考える業務が多く、総合コンサルはシステム開発などのプロジェクトの進め方を決め、進捗を管理するPMO業務が多い、と理解して頂ければ概ね問題ありません。具体的にもっとイメージが掴みたい、なんかお勧めの本とかないの?というあなたにはこの一冊を。

 

問題解決――あらゆる課題を突破する ビジネスパーソン必須の仕事術

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 ぶっちゃけこれは総合コンサルの業務内容に近いですが、そもそもコンサルタントとはどんな仕事をしているのか、を理解するにあたっては良書です。

特に各章の冒頭に書かれている主人公のコンサルタントを軸にしたストーリーは、実際の業務内容にも近く、業務イメージを持つにはもってこいかと思います。

それでは。