【2018年】コンサルがすすめるテクノロジーに強くなりたい人が読むべき4冊の本
AI、IoT、デジタル・・。テクノロジーの重要性がこれでもかと強調される時代になってきました。多くのビジネスマンにとって、テクノロジーの概要を理解し、それがどうビジネスに活用できるのか、どうビジネスモデルを変えるのかという点を知りたいといういニーズは高まっているのではないでしょうか。
曲がりなりにもコンサルタントとして、テクノロジーを活用した新規事業創出などを手掛けてきた中で、「この本まじでつかえるわ!助かったあ!」という本に何冊か出会いました。そんな本のベスト4を一挙大公開です。
未来のテクノロジーのロードマップを知りたいならコレ
2100年の科学ライフ
- 【おすすめ度 ★★★★☆】
- 作者: ミチオ・カク,斉藤隆央
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2012/09/25
- メディア: 単行本
ニューヨーク市立大学理論物理学教授のミチオ・カク氏の著書。超ひも理論の創始者の一人です。といっても難しい物理学の話が中心ではなく、2100年までに実用化されるであろうテクノロジーを学術的な視点と確度にもとづいて解説している本です。特に近未来、世紀の半ば、遠い未来と3つのフェーズに分けてテクノロジーのロードマップを示してくれているのも参考になります。
未来の技術を語る本は、自称未来学者による眉唾なSF本が多い印象なんですが、そういった本とは完全に一線を画しているのがこの本の素晴らしいところです。2012年発売とやや古い本ですが、5年先でなく100年先を見通しているものなので当分はつかえます。
個人的にはこの本を読んで得られた最大の示唆は、ムーアの法則によってハードウェアは安く効率的になっているが、ソフトウェアの開発はエンジニアがしこしことコードを書いて作っている。労働集約的なソフトウェア開発がAIによって代替されたとき、大きな変化が訪れる、という点でした。
・コンピューター(ムーアの法則の未来、脳のスキャンなど)
・人工知能
・医療(遺伝子操作など)
・ナノテクノロジー
・エネルギー(水素エネルギー、核融合など)
・宇宙旅行
といったところです。
テクノロジーのロードマップをつくれ!などと無茶振りされたときには、この本を見れば必ずよい情報を得られるでしょう。
テクノロジーを網羅した辞書ならコレ
世界をつなぐ100の技術 2019年版
ありきたりな情報しかないかな、と見下しているとそんなことはありません。これだけ網羅的に情報を集められている本は他にはないと思います。
これは、1ページ1ページ最初から最後まで読んでいくというよりも、知りたいテクノロジーを見出しから探してそこを読むという辞書的なつかいかたをするのに非常に向いています。
・医療技術
・ビッグデータ
・自動運転車
・フィンテック
・バイオテクノロジー
・エネルギー
・VR/AR
・IoT
・建設テック
・ドローン
といったところです。
もし上司から、「なんかXX業界の新しい技術にどんなものがあるか、ざっくり網羅的に知りたいんだよね」と言われたら迷わずこれを手に取りましょう。
ぜひ目次だけでも参照してみてください。
IoT×製造業を知りたいならコレ
インダストリーX.0
- 【おすすめ度 ★★★★☆】
- 作者: エリック・シェイファー,花岡直毅(監訳),井上大剛
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2017/08/31
ドイツを中心に提唱され、話題を呼んだインダストリー4.0。IIoT(Industry IoT)等とも呼ばれていますね。IoTが製造業をどのように変革させるのかをアクセンチュアのマネジングディレクターである著者が詳細に解説しています。
この本を素晴らしい点は大きく2つ。
1つは、テクノロジー単体の解説ではなく、テクノロジーによってビジネスモデルがどう変わるのか、といった点まで踏み込んで説明している点です。例えば、IoTによって成果報酬型のビジネスモデルが可能になる、といったことが書かれています。
テクノロジー×ビジネスの勘所を掴むにあたっては非常に参考になる情報が多いです。
2つ目は、事例が多く載っている点です。例えば、成果報酬型のビジネスモデルの事例として、スペインのコメディー劇場が紹介されています。表情をモニタリングし、笑顔を検知し、客が笑った回数に応じて支払い料金が決まる、といったオモシロ事例です。
タイヤメーカーのミシュランの従量課金モデルなど、王道の事例も紹介されており、製造業×IoTの領域での様々な企業の取り組みを知ることができます。
これを読んでおけば、「インダストリー4.0」、「IIoT」、「デジタルツイン」といった話題になったとき、ああ、それでいうとあの企業がこんな取り組みを・・と知見の深さをアピールできるようになることでしょう。
宇宙のテクノロジー・ビジネスの決定版はコレ
宇宙ビジネス入門
- 【おすすめ度 ★★★★★】
- 作者: 石田真康
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2017/08/31
- メディア: 単行本
最後は宇宙の本です。A.T.カーニーのプリンシパルである石田氏による1冊です。
正直いって宇宙ビジネスはこの一冊を読めばオールオッケーです。決定版です。私の上司がそう言っていましたし、東大で航空宇宙を専攻している院生の友達もそう言っていました。
中身もコンサルタントらしい構造となっており、同じコンサルタントとして参考になるところばかりです。素晴らしい。
どんな構造かというと、宇宙ビジネスの全体像⇒市場セグメントと主要プレイヤー⇒先進各国の取り組み状況、という流れです。特に最初に全体像を書いてくれているあたり、わかっていますね。全体像のポンチ絵まであります。感涙。
また主要プレイヤーの先進的な取組が紹介されているのも参考になります。低軌道衛星による衛星通信を展開するOne Web。衛星画像を解析するサービスを提供するOrbital Insight。メジャーどころのベンチャーもしっかり押さえられており、まさに宇宙ビジネスの決定版と言える仕上がりです。
宇宙ビジネス、宇宙テクノロジーを知りたいあなたは迷わず買うべき、いや買わなければならないMustの一冊です。
以上、個人的なベストテクノロジー本4冊でした。AIの仕組みとかが知りたいんだ!という人はごりごりの機械学習やパターン認識の本を読むべきでしょうが、おそらく多くのビジネスマンにとっては、テクノロジーの概要を理解し、それがどうビジネスに活用できるのか、どうビジネスモデルを変えるのかという点を知りたいだろうと思い、この4冊をチョイスさせて頂きました。
みなさまの参考になれば幸いです。
【GAFA解説~Apple編】Appleは最も成功した高級ブランドである
GAFA、という単語が2018年の流行語大賞にランクインしました。ガーファと読みます。GAFAとは、Google、Apple、Facebook、Amazonというデジタル時代を代表する4つの超巨大企業の頭文字をとったものです。
今更ながら、GAFAってなんでそんなに騒がれているのか、何がそんなにすごいのか、という点をスコット・ギャロウェイ著「the four GAFA 四騎士が創り変えた世界」という本を参考にしつつ、私なりに紐解いていこうと思います。
シリーズ第一弾は、Apple。というわけで早速スタート!
- 作者: スコット・ギャロウェイ
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2018/07/27
- メディア: 単行本
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GAFAで唯一のモノづくり企業 Apple
AppleはGAFAの中で異端の存在です。というのも、Appleだけがモノづくりを主軸とした企業なのです。他の企業は主にサービスを提供している企業です。
このデジタルでイノベーティブでデータこそが金脈と言われる21世紀においてモノづくりなんてナンセンス。ところがAppleだけは風向きが違います。
2018年9月では、Appleの売上は2655億9500万ドル(30兆円くらい)、利益は708億9800万ドル(8兆円くらい)で利益率は27%です。時価総額は1兆ドルに届こうかという勢いです。対して、例えばトヨタの利益率は8%です。モノを作っている企業としてAppleがいかに異常な利益を上げているかがわかります。
これだけの利益を上げるAppleの戦略とはどういうものなのでしょうか。
「高い価格で多く売る」が基本戦略
Appleの戦略を一言で説明すると「高い価格で多く売る」という点に尽きます。いかに利益率が高いかは説明した通りですが、特に2015年の第一四半期の決算はそれを象徴しています。その期間に全世界で出荷されたiPhoneは18%のシェアを獲得するにとどまりましたが、業界の利益の92%を占めました。
販売価格を見ても、Appleの高価格は揺らぎません。iPhoneは1台749ドル、格安メーカーのスマホなら159ドル、ブラックベリーなら549ドルです。
そう、Appleは単なるハード機器メーカーではないのです。徹底的に高く売ることにこだわってブランドを構築してきた高級ブランドなのです。その意味でいえば、トヨタよりもルイヴィトンの方がAppleに近いかもしれません。
なぜAppleは高く、そして多く売れるのだろうか
「the four GAFA 四騎士が創り変えた世界」の中で、スコット・ギャロウェイは高級ブランドが持つ共通の性質を5つ挙げています。以下の5つです。
- アイコン的な創業者
- 職人気質
- メーカー直営店
- 世界展開
- 高価格
この中で、特にAppleを象徴している性質は、アイコン的な創業者、メーカ直営店、世界展開の3つだと私は感じました。
1. アイコン的な創業者 - スティーブ・ジョブズ-
Appleを語る上で外せないのが、みんな大好きスティーブ・ジョブズの存在です。21世紀最高のカリスマです。離婚した娘の養育費の支払いを拒否しようが、苛烈な社内政治を敷いていようが今更そんなのは関係ありません。
ジョブズのストーリーを至高のものにしているのは、一度Appleを追い出され、その後カムバックを果たし、大成功を収めたという点です。創設⇒裏切り⇒復活というこのストーリー。裏切り&復活のストーリーを世界がどれだけ愛しているのかは、キリスト教を見ればわかります。
あまりに圧倒的なジョブズのカリスマイメージ。これらはそのままApple製品のイメージになりました。Apple製品をつかうことで、ジョブズ的な雰囲気、つまり「イノベーティブ」で「他者とは異なった存在」という雰囲気を纏える、そんなイメージが世の中に定着しました。
徹底的にシンプルさを追求したデザインもジョブズ的な雰囲気の増幅に貢献しています(本では「職人気質」の節で詳しく書かれているので気になった人は本を!)。Appleの価値は性能ではないのです。Apple製品を使っていると「イノベーティブ」で「他者と異なった存在」になったような気分になれる、それが価値なのです。
このブランドイメージは、競合他社との価格競争を回避し、そこそこの性能の製品を高価格で販売することを可能にしました。
3. メーカー直営店(高級感あふれる実店舗)
Appleを高級ブランド足らしめているのは、「ジョブズ的雰囲気」、「シンプルなデザイン」以外にもう一つあります。高級感あふれる実店舗での販売です。
21世紀に実店舗なんて時代遅れ。時代はECでしょ。
それはあなたがトイレットペーパーを買う時の話です。大量生産品を買う時には、楽で便利なEC、それこそAmazonで購入する人が多いと思います。では、ヴィトンの財布を買うときは?エルメスのバッグを買うときは?
私は社会人になってBVLGARIの財布を買うとき、銀座のBVLGARIの実店舗に行って買いました。間違ってもドン・キホーテの最上階で買おうとは思わないし、ECサイトで買おうとも思いません。実店舗の高級感あふれる空気感とハイクラスな雰囲気の店員さんと話しながら買った方が、自分がSomething Specialになれた気がするからです。
Appleは高級ブランドよろしく洗練されたデザインの店舗を出店しました。それもヴィトン、エルメス、カルティエが立ち並ぶ一等地に展開したのです。他の高級ブランドで買い物をするとき同様、Appleで買い物をする姿は1つのステータスです。店舗をガラス張りの透明にして、道行く人にその姿を見せつけたくなるほどに。
実際Appleの戦術は成功しました。Appleの店舗の1平方メートル当たりの売り上げは、約5000ドルで小売業では最高とのことです。第二位はコンビニだそうですが、50%の違いがそこにはあります。
実店舗での高級感あふれる購入体験。これをもって、Appleは高級ブランドになったのです。
4. 富裕層をターゲットにした世界展開
しかし、高価格の商品を少量売っていたのでは、30兆円も売り上げは出ません。世界中でなるべく多く売る必要があります。というわけで世界展開です。
「the four GAFA 四騎士が創り変えた世界」のなかにこんな一節がありました。
"富裕層というのは、地上に存在する他のどんな集団より均質である。"
これ、私の感覚的に非常に腹落ちする言葉でした。どんな国においても、富裕層の嗜好って似たようなものだと私も感じています。ヴィトンやロレックスといった高級ブランドが世界中で展開されているのは、同じ好みの消費者がどの国にも存在するからです。
Appleは自らを1つの価値あるブランドとして世界に認めさせることに成功し、そのために世界中に存在する富裕層をターゲットとすることができ、世界展開が容易になりました。こんなに地域ごとのカスタマイズや商品開発なしで売れる商品も少ないのではないでしょうか。
これによってAppleは世界展開に成功し、高価格にも関わらず「多く売ること」に成功したのです。
まとめ Appleは最も成功した高級ブランドである
Appleが凄いのはテクノロジーではありません。Appleより性能の良いパソコンなんて他にいくらでもあるでしょう。
しかし、スタバで広げたいのはAppleです。イノベーティブな自分を演出するには、Appleの最新機種がふさわしいのです。今までは、着ている洋服、乗っている車、行きつけのレストランがステータスでした。Appleは、そこに持っているパソコン、スマホという新しいステータスの判断基準を創り出しました。
それこそがAppleが成し遂げた最大の功績なのです。
「the four GAFA 四騎士が創り変えた世界」では、Appleが構築した参入障壁についても詳しく解説がされています。よりAppleの詳細を知りたい人は、以下の本を参照してみるのもよいでしょう。
- 作者: ウォルター・アイザックソン,井口耕二
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/10/25
- メディア: ハードカバー
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スーツボックス(suitsbox)がサービス終了した理由を考える
スーツのサブスクリプションサービスである「スーツボックス」のサービス終了が発表されました。2018年12月13日をもってすべてのBoxの手配を終了し、12月21日に会員ページも閉鎖するとのことです。
以前、「スーツボックスめちゃ良いよ!」的な記事を書いた私としては、非常に残念です。。スーツボックスって何だっけ?という方のために簡単に説明すると、月額1.8万円出せば、コーディネーターが考えたスーツ2着とシャツ3着とネクタイ2本が毎月送られてくるよ、新しいボックスが届いたら前のスーツたちは返却してね、というサブスクリプションサービスです。
料金別にいくつかコースもありましたが、詳しくは以下の記事を。
なぜスーツボックスは、わずか半年で終わってしまったのでしょうか。
ここではその理由を考えたいと思います。
直接のきっかけはたぶん社長の交代
スーツボックスはAOKIの新規事業として開始されたサービスです。そのAOKIですが18年10月に中村宏明前社長が辞任し、新しく諏訪健治氏が社長に就任しています。どうやら新社長になり、方針の転換があったようです。
日経XTRENDでは以下のような関係者のコメントが書かれていました。
関係者によれば「社長交代後に新規事業の見直しが入った」という。suitsboxもその対象となったようだ。
AOKIが半年でサブスク撤退 新社長による事業見直しか:日経クロストレンド
諏訪新社長、スーツボックスやめるってよ。
とはいえ、事業がうまくいっていればどんな社長になってもスーツボックスは継続されたはずです。何かしらの理由で事業がうまくいっていなかった、それを見咎めた新社長によって撤退の決定が下された、と考えるのが自然でしょう。
ではなぜ事業がうまくいっていなかったのでしょうか。
利益=売上-コストですから、利益が出なかった原因は売上が立たなかったかコストが抑えられなかったかの2択で考えられるはずです。いくつかの要素から考えて、コストが抑えられなかったという点が問題であったと私は考えています。順に説明していきます。
利用者が少なかったのか(売上が立たなかったのか)⇒NO!
スーツのサブスクリプション、というサービスが消費者の心を掴めなかったのでしょうか。私はそうは思いません。使った感じ、人に勧めたくなる良いサービスでしたし(単なる主観)。
主観は置いといて、客観的な事実から読み解いても利用者を集めることには成功していたのではないかと思います。
1. サービス開始前のクラウドファンディングは注目度高だった
スーツボックスは事業を本格スタートさせる前に、クラウドファンディングサイトのMakuakeにて支援を募っていました。資金を調達するというよりも、どのくらいのユーザーが関心を持っているのかを確かめるちょっとした実証実験としての側面が強かったようですが。
結果としては、3日で当初目標の100万円を突破し、最終的には約220万円を集めました。この時点では、AOKIの想定以上に注目度もサービスを利用したいユーザーの数も多かったと言っていいでしょう。
2. 申し込み多数による新規受付の停止をするほどの盛況
いざサービスを開始した後はどうだったのでしょうか。
なんと大盛況でした。18年9月から申し込み多数を理由に新規受付を停止するほど利用希望者は多かったようです。
18年7月の日経新聞でも申し込み好調が以下のように伝えられていました。
受注が好調で、当初は21年3月期に目指していた会員数1万人の目標を「1年前倒しで達成できる見込み」(経営戦略室の永沼大輔氏)という。
アパレルも「定額制」時代 レナウンがスーツレンタル :日本経済新聞
というわけで、利用者自体は順調に増加していたと考えてよいでしょう。
まさか1年前倒しも何も、1年持たずにサービスが終わるとは・・。諸行無常なり。
コストが高かったのか
利用者が順調に増えていたにも関わらず、事業撤退という結果になってしまったということは、売れれば売れるほど赤字が累積していく赤字の事業構造だったのでしょうか。
おそらくこちらが的を射ているでしょう。この事業モデル、利益を出すのも、そのためにスケール化するのも、両方ともかなり難しそうなのです。
どのくらい利益が出るのか計算してみよう
1. ボックスの中身は25万円相当
ちょっとシンプルに事業モデルを考えて、どのくらい利益がでるのか計算してみましょう。スーツボックスの中身(スーツ2着、シャツ3着、ネクタイ2本)の商品販売価格は、21~30万円とMakuakeでは説明されていますので、いったん25万円と考えます。なお、サブスクリプションの月額料金は1.8万円です。
2. 1万人の利用者にサービスを届けるには最低50億円分のスーツが必要
ここで、いま1万人の利用者がいるとします。最低でも必要なボックス数は1万個。しかし、スーツには夏物・冬物があるので、夏物1万個、冬物1万個の合計2万個が最低でも必要になります。
ボックスの中身は25万円ですので、2万個のボックス×25万円で50億円が原価となります。
なお、これは最高効率でボックスを回すことができた場合です。バッファのボックスは1個もありません。
3. スーツの耐用年数を3年とすると、17億円が減価償却費
減価償却の目安として、スーツの耐用年数は夏物3年、冬物4年となっています。他の指標においても3年程度でスーツはダメになると想定されており、例えば全国クリーニング生活衛生共同組合連合会の「クリーニング事故賠償基準」では、スーツの使用年数を2~4年に設定しています。
さすがに3年以上着古して減価償却が終わった価値ゼロのスーツを着るのは利用者が嫌がると想定されます。ですので、3年経ったらスーツ刷新、というのが最低限のサービス水準として妥当でしょう。
3年ごとに50億円分のスーツを確保することになるので、年間の負担額は17億円と見積もります。
4. 配送とクリーニングで1回あたり3000円の負担
スーツを用意するのにも費用がかかりますが、配送とクリーニングにも費用もかかります。
これらはどのくらいかかるのかイマイチ勘所がないのですが、まず配送料は往復で計2000円くらいと置きましょう。60cmを超えるサイズで関東圏内だとクロネコ宅配便は片道1000円を超えてきますし、法人契約で安くなるとは言え、ユーザーは関東圏外にも一部いるであろうことを考えると往復で2000円くらいが落としどころかなと思った次第です。
クリーニングですが、これはAOKIならでは独自のネットワークや施設がありそうですし、そのへんのクリーニング屋さんに頼むより相当安く済みそうです。スーツ2着にシャツ3着にネクタイを合わせて・・、いやわからん!1000円くらい?そうしよう、そうします。
というわけで配送とクリーニングで3000円の費用がかかります(言い切る勇気)。
5. 1万人の利用者がいると、年間で利益1億円
月額料金は1.8万円でした。配送とクリーニング代の3千円を抜いて、1.5万円がAOKIの手元に残る金額です。
年間の売上は、1.5万円×1万人×12か月=18億円となりました。
スーツに年間17億円かかる計算でしたので、1万人のユーザーがいれば1億円の利益が毎年出せそうです。
気を付けてほしいのは、これはベストシナリオという点です。
ボックスの返却が遅れる利用者が多くてボックスが足りなくなった、という事態も十分に想定されますし、バッファとして多めにスーツを用意する必要があるはずです。なので、2万個のボックスでは対応できず、2万個を大きく超える数が必要になるでしょう。2万個の2%の400個をバッファとして持つだけで赤字転落になります。アーメン。
そうなってくると、赤字の可能性が極めて高いと言わざるを得ません。少なくとも店頭販売したほうが儲かります。
また後述しますが、コーディネーターの人件費やボックスにスーツを詰める作業にかかる費用、広告宣伝費・・・、ここで考慮していない諸経費はたくさんあります。
25万円のボックスでは赤字待ったなしだと思われます。
サブスクリプションで儲けようとするなら、安いスーツを提供して原価を抑えるしかないのですが、例えば3万円のスーツ(中古)を毎月2着着るために2万円出しますか?という話になってきます。
更なる問題点 コーディネーター不足
さらにスケール化するにあたって、重大な問題があります。それは人材不足です。
スーツボックスでは、利用者のリクエストに応じてコーディネーターがスーツ・シャツ・ネクタイのコーディネートを考え、おすすめポイントをそれぞれの会員ページ上で解説してくれます。「トレンドのXXカラーをベースにさわやかさを出すようシャツとネクタイには鮮やかな色を組み合わせています。」みたいなコメントがそれぞれのコーディネートについてくるんです。
つまりこれ、めちゃめちゃ労働集約的な作業をしているわけです。
これやばくないですか。しかも目標1万人って。1人スーツ2着だとして、コーディネートは2万通り。ユーザーのリクエストを読んで、コーディネート考えて、コメントを各ユーザーに送る×2万回。30分で1コーデやるとしても、コーディネーター1人あたり16コーデ/日、320コーデ/月。2万コーデ対応には、63人の専任コーディネーターが必要です。
この仕事やりたい人っているでしょうか?いないと思います。
いたとしても63人もコーディネーターを雇ったら大赤字です。
店舗スタッフに空き時間にやらせる、という方法もあるかもしれませんが、持続可能性に?です。AIにやらせるしかなさそうです。
結論 利益が上がる仕組みを整える前の見切り発車だった
サブスクリプション向けにスーツを回すよりも普通に店頭販売した方が利益が上がる。
スケール化しようとしても、コーディネーター不足に直面して無理。
⇒スーツボックス、やめようか
ユーザーを惹きつけるサービスができていたか、という点に関しては、利用者が多く集まったことから及第点に達していたでしょう。実際、私も使っていて楽しく、まわりの人に勧めたくなるサービスでした。
しかし、利益が上がる仕組みにはなっていなかったのでしょう。しかも、スケール化してこれから利益が上がるんだ!という方向性もコーディネーター不足で見込みが薄い。音楽配信のサブスクリプションなどと異なり、スケール化しても限界費用が小さくならないビジネスモデルであるため、サブスクリプションにはあまり向いていなかったと言わざるを得ません。
せめてスモールスタートでデータを収集して、コーディネートはAIが考えてくれるんです、という形での本リリースにまでもっていけていたら。余剰在庫の活用で十分に利益が出るほどに原価を抑えられていたら。うまくいったかもしれません。
もしかすると前社長が功を焦ってとにかく実績がほしいということで、利益が出るビジネスモデルをきちんとつくる前に見切り発車させたのかもしれません。
コンセプトは面白かっただけに、事業終了は残念です。
この教訓を活かして、そして下の本面白かったからこれでサブスクリプションモデルのビジネスモデルを勉強して、次のリベンジを!AOKIさん!待っています!
サブスクリプション――「顧客の成功」が収益を生む新時代のビジネスモデル
- 作者: ティエン・ツォ,ゲイブ・ワイザート
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2018/10/25
- メディア: Kindle版
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スーツボックス(suitsbox)を利用してるのでレビューを書いてみる
シェアバイクで通勤し、Uber Eatsで飯を食う。
どうも、シェアリングの申し子です。
先月(2018年9月)から、スーツのサブスクリプションサービスである「suitsbox」を利用しているので、どんなサービスなのか、そして利用してみた感想などなど、ここで書きたいと思います。
(*一時的に新規受付停止(2018年10月現在)してるみたいだけど、きっとすぐ再開するよ!)
スーツのサブスクリプションってなんぞ?
サブスクリプションとはなんぞ?という人もいるでしょうが、昔からあるわかりやすい例でいえば、雑誌の購読とかがこれにあたります。
毎月、定額料金で新しい雑誌が勝手に家に届く。
このスーツ版が、スーツのサブスクリプションになります。
つまり、毎月新しいスーツが家に届きます。
私が利用中のコースだと、毎月2着スーツが届きます。そして代わりに先月届いたスーツを送り返します。
ちなみに「スーツが届く」と言っても新品のスーツが常に届くわけではありません。基本的には既に誰かが着たことのあるスーツがクリーニング等のメンテナンスをされた上で届くことになります。初回は私のもとには、糸がついたままの新品が届きましたが。笑
類似のスーツのサブスクリプションサービスだと、Durbanでおなじみのレナウンも「着ルダケ」というサービスを展開していますが、そちらは毎月新しいスーツを着れるわけではなく、2年間で4着のスーツ提供といった形です。
着ルダケは、新品のスーツを届けてくれますが、種類も5種類からの選択となっており、スーツボックスと比較するとちょっとバリエーションも乏しい印象です。
どこがやってるの
スーツボックスを展開しているのは、皆さんご存知「AOKI」です。世界のAOKIです。
なので、スーツのバリエーションと品質には安心感があるように思います。
いくらするの
サブスクリプションのコースは3つから選択できます。
Economy:7800円(税抜き)、スーツ1着、シャツ1枚、ネクタイ1本
Light :15,800円(税抜き)、スーツ2着、シャツ3枚、ネクタイ2本
Standard:24,800円(税抜き)、スーツ3着、シャツ5枚、ネクタイ3本
ちなみに私はLightコースを利用してます。既に2~3着くらいスーツを持っていれば、2着届けば毎日違うスーツが着れますし、値段的にもLightが一番コスパいいかなと思って個人的にはおすすめです。
どんなスーツが届くの?
スーツ、シャツ、ネクタイは専門のコーディネーターさんがチョイスして送ってくれます。スタイリングは大きく3種類から選べます。
「ベーシックスタイル」
暗めな色や目立たない柄が多い。地味にならないようにベスト・チーフ付きが多め。
「トレンドスタイル」
明るめな色や目立つ柄、ダブルなど強いトレンド性が強め。
「ジャケットスタイル」
幅広い色と柄を、上下セパレートで提供。
色の希望や職業柄こういうのはNG、などは文章で伝えられます。
「クールで知的な感じでお願いします!」とか送ったのは私です。
どの価格帯のスーツが届くの?
届くスーツの価格帯ですが、7~10万円くらいのようです。
スーツボックスがMakuakeというクラウドファンディングで実験的に資金調達(AOKIの新規事業なので、資金調達というよりも関心のあるユーザーの層なんかを見極める狙いが強かったみたいですが。)していた際に以下のような記載がありました。
①高品質、高機能、ワンランク上のアイテム
『suitsbox』では、優れたスーツをたくさん着て、ビジネスライフを一段格上げしていただくことを目指しています。
そのため、提供するセットは販売価格にすると70,000円~100,000円台を中心とし、高級・高品質インポート生地、有名国内工場での縫製、高機能性素材、高機能加工などを備えたアイテムを提供します。(※一部異なる商品もあります)
配送と返品は?
配送ですが、家に大きめの段ボールのボックスで届きます。宅配ボックスには入らないでしょうね、はい。
返品は、基本的に次のスーツが届いてからで問題ありません。前月に送られてきたボックスに詰め直して郵送する形です。特にシャツやスーツをクリーニングして返す必要はありません。
実際つかってみてどうなの?
説明が長くなりましたが、ここから実際に使ってみての感想です。
いいところ
・マンネリ化の全撤廃
スーツって、この人は大体いつもこれ着てるな、みたいな固定的な印象がありません?よほどおしゃれな人じゃないと、そんなに何着もスーツ持ってないですしね。
とあるアンケート調査によれば、日本のサラリーマンは4~6着くらいのスーツを平均的に持っているらしいです。夏服と冬服、それぞれ2~3着といった感じでしょうか。
1シーズン3着のスーツをずっと着ていると、そりゃあこいついつもこれ着てるな、となるわけです。
スーツボックスだと毎月2着新しいスーツが届きます。
これスゴくないですか。
こいついつもこれ着てるな、がなくなるわけです。
毎月、2着もスーツが変わるなんて、もうそのへんのお洒落さんを凌駕できます。
・オシャレ
普通にオシャレです。
スーツ、シャツ、ネクタイ、この組み合わせをプロが選んでくれます。
ここがポイントですよ、的なコーディネーターのコメントが自分のアカウントページで見れますし、送られてきたスーツ、シャツ、ネクタイのおすすめコーディネート例も写真で見れるわけです。
なかなか自分じゃ選ばないスーツにも勝手に挑戦できちゃうわけで、プロが選んでるし、というお墨付きも何だが自信をもって着れる感じ。
ああ、おしゃれ。自動でおしゃれ。
・季節に応じたスーツが手に入る
みなさん、秋用のスーツ持ってますか?
私は持ってます、そうスーツボックスだからね。
毎月送られてくるので、季節に応じたいい感じの厚みの生地のスーツが届きます。夏と冬の二択ではなく、その中間の生地のスーツが着れるのは嬉しいところです。
・クリーニング問題の解決
スーツ、いつクリーニング出そう。。
これから解放されます。毎月クリーニングに出してるようなものですし、スーツの数が増えるので、もともと持っていたスーツも余裕をもってクリーニングに出せます。
よれよれのスーツとこれにてお別れ。
・良い話題になる
実はこのスーツ、サブスクリプションなんすよ。
結構、食いつき良い人が多いです。最新のビジネスモデルに乗ってるアーリーアダプター感も悪くないぜ。。
悪いところ
・ちょっと高い
15,800円。やっぱちょっと高いですかね。
届くのは安いスーツでいいから、1万円くらいの価格帯でサービス提供があると最高かも。
ただ、個人的には上で述べた良いところを踏まえれば、十分なコスパかなと思ってます。今持ってるスーツにもなんだかんだ、1着5万くらい出してますし。
・サイズぴったりを一発で引き当てるのムズイ
自分は平均体形なので、それほどサイズ感には困ってません。
が、最初に注文したときはシャツのサイズがやや大きかったです。
ちなみにスーツは、股下なんかは測ってそのサイズで希望を出します。
初月はサイズ交換無料ですし、サイズの変更も次の配送までに伝えれば次からは反映されるはずなので、そこまで困ってもいなかったり。
・返品ちょっとめんどい
うん。ちょっと面倒です。
今後の展開
これ、いいサービスだと思うんですが、スケールするのが大変そうです。
なんでかっていうと、今のままだとスケールするにはコーディネーターの数をめちゃめちゃ増やさないいけないからです。
スケールするために方法は1つ。AIがコーディネーターになればいいわけですね。
AIがおしゃれなスーツ、シャツ、ネクタイの組み合わせを学び、即時にお客さんの希望に合ったコーディネーターを提案する。
AOKIもAIのような技術活用を重視しているらしいので、まずスモールスタートでデータを貯めつつ、ユーザーのニーズやどのくらい売り上げが立ちそうかなんていったところを見ているのでしょうね。
使っていて便利で、テンションも上がるのできっとこういうモデルは増えるんだろうと私は思っています。AIコーディネーターと高級&定価価格サービスが出れば、いっきに普及しそうかなあ。
みなさんもぜひお試しあれ。
どんな人がタイプなんですか、という難問に「ちょうどいいブス」こと相席スタート山崎ケイさんが最適解を出していた件
「どんな人がタイプなんですか」
こんなにも人類を長きにわたり苦しめている問いはあるだろうか。
あるとしたら、あとはリーマン予想くらいである。
答えなき問いである。
しかし、答えのない問いに答えを出す(出した風に見せかける)のが戦略コンサルタントである。
というわけで、最適な答え方をここで考えて行こうと思う。
ところで、「相席スタート」というコンビの芸人をご存知だろうか。
相席スタートの山崎ケイさんは「ちょうどいいブス」を自称しており、実際そんな感じである。(失礼か!)
この山崎ケイさんが、この問いに対して答えを既に出している。
リーマン予想級の問いに答えを出すとは、山崎ケイさんの脳は量子コンピュータだと断言して良い。
山崎ケイさんは、タイプを聞かれたときこう答えるというのだ。
「わたし、大泉洋さんみたいな人がタイプです」
これが山崎量子コンピュータが生み出した模範解答である。
そもそも「どんな人がタイプですか」と聞いてきた人は、どんな意図を持ってこの問いを投げかけているのだろうか。コンサル風に言えば、インテントは何か、ということである。
この問いがなされる場所は、合コンである。
合コンしかない。
合コンの目的は、素敵な異性をゲットすることである。
つまり
①この子は素敵な人だろうか
②俺でもこの子をゲットできるだろうか
の二つのサブ論点を解けば合コンdoneである。
「どんな人がタイプなんですか」
これはつまり
①この子は素敵な人だろうか
②俺でもゲットできるだろうか
の二つを同時に解明しようとしているのである。どちらか一つならともかく、二つ同時にアプローチしてくる点が、この問いをリーマン予想級の難易度へと変貌させているポイントである。
だから「好きなタイプはオードリーヘップバーンです」とか言ったら終わりである。
高飛車で嫌な感じするし、まずオードリーヘップバーンみたいな女性はいないし、完全に赤点である。
面食いじゃなくて、性格重視なんです
けどそれをあからさまに伝えすぎない
このあたりを絶妙なバランスで伝える…
そうそれが
「好きなタイプは大泉洋」なのである。
なんか、
「好きなタイプは福士蒼汰です」
よりも
「大泉洋です」
の方が、この子いい子だな、て思いません?
それになんか、俺でも手が届きそうな気がする。
モテる…
好きなタイプが大泉洋な子は
…モテる
だって、いい子で手が届きそうなんだもん。
女性の模範解答は、山崎量子コンピュータが出してくれましたが、果たして男性側の模範解答は…
うーん
うーーーん
水卜ちゃんあたりでどうでしょう?
ちなみに私のタイプは、新垣結衣です。(爆)
コンビニ蕎麦のわさびが「んぶっ」てなるくらい辛い
コンビニでそばを買ったことはあるだろうか。私はある。
「まだ買ったことない。」
という人のために一つだけ忠告しておきたい。
あやつ、わさびまじ辛い。
あやつ、わさびまじ辛い。
大事なことなので先生、二回言いました。
平日のある日、お昼にぶらりと立ち寄ったコンビニ。
白米の気分じゃないんだよなあ、んで昨日ラーメン食べたし、なんか体にいいもの食べたいなあ、と入店した瞬間からわがままモードで店内をうろつく俺。
健康的なもの食べたいなら、そもそもコンビニに来んなよ、的な声が聞こえてきそうだが、そんな声も野菜ジュースも華麗にスルーしてよさげな健康フードを探す。
そこで目に入ってきたのが蕎麦である。
私の中では
蕎麦>うどん>ラーメン
という健康ランキングが出来上がっている。
ちょっとググってみたが、蕎麦には「ルチン」やら「イノシトール」やらが含まれており、心筋梗塞とか動脈硬化とか健康食品が大体いつも効き目を発揮するそのへんにやはり効果を発揮するとのことだ。
さすがは蕎麦。麺類界のいぶし銀健康スター。イニエスタ。
さらに温め不要なのも急ぎのランチにぴったりである。
蕎麦よ、お前こんなにも素晴らしい食材だったのか。
褒め讃えているうちにテンションが上がり、俺氏ご満悦である。
コンビニのそばには「麺」「つゆ」「ネギ」「わさび」「麺ほぐすようの水」が入っている。
つゆを入れ、ネギを入れ、わさびをつゆに溶かし、蕎麦を食べる・・・
「んぶっっっ」
麺を吸い込んだ瞬間にげふんとむせるほどのわさびの辛さ。
スーパーなんかで寿司を買ったときについてるわさびの比ではない。
先日、チェーン店の蕎麦屋さんにいって、1口パックに入った蕎麦を溶かして食べたが、やはりこれほどの破壊力はなかった。
さっきまで、麺類界のイニエスタと褒めちぎっていたのに、ここにきてまさかのトラップミスである。わさびトラップである。
ランチタイムのオフィスに蕎麦を食べてせき込む自分の声がこだまする。
ちょっと顔が赤くなって汗が出てきたのは、恥ずかしいからではない。
ルチンとイノシトールのせいである。このイノシシめ。
なんで、こんなにピンポイントで辛いわさびを採用しているのか。
わさびシナジーを巻き起こすようつゆに秘密が隠されているのか。
しかし辛いとわかって食べればどうってことないのであr・・「んぶふっっ」
ちなみに別の日にあらためて食べたときもむせました。
みなさんもオフィスでコンビニのざる蕎麦を食べるときはお気をつけて。。
ベルリッツに通ったらTOEICスコアが900点超にまで上がった話
「ベルリッツ」。きっと聞いたことある人も多いでしょう。
会社の研修費用負担制度をうまいこと活用しまして、そのベルリッツの40回個人レッスンコース(先生とのマンツーマンのレッスン)を受講してきたので、レビュー的なことを書こうと思います。
ベルリッツの概要と当時の自分のスペック
1レッスンは40分と短時間です。先生は外国人の方で、毎レッスンランダムで先生が変わります。アメリカ、カナダ、オーストラリア、イギリスあたりの先生がいたと記憶しています。
価格はというと、40レッスンで約35万円です。たけえ!!
ちなみに当時の私の語学スペックは、TOEIC800点半ばでした。なお、語学の勉強は嫌いで自主的に勉強しようとは基本的に思いません。必要に迫られて渋々勉強するタイプです。
どこの教室に通うかを決めて申し込み
いざベルリッツへ。レベルチェックテストを受講
レッスンの内容はどんなものだったか
いつレッスンに行くかは自由
マンツーマンで授業は雑談メイン!?
ただ、私の場合、あまり教材を つかいませんでした。笑
教材を使わずに何をしていたかというと、雑談です。すぐに話が脱線します。
トランプ大統領をどう思うか、とか、最近アメリカではすっかりUberが市民権を得たよ、とか、旅行に行った国の話・・などなど、毎回雑談の中で英語をしゃべり、適宜その表現はちょっと変だよ、それを言いたいならこの単語だね、など教えてもらっていました。40分のうち、雑談20分、教材20分といったところでしょうか。
濃密な雑談こそがプライベートレッスンの価値
レッスン後のアンケートに雑談を少なくして教材メインにしたいか?といった質問項目があったのですが、私としては雑談することに価値を感じていました。教材を進めるだけなら自分でもできますし(ほんとにやるかどうかは置いといて)、せっかく先生と2人で話せるならなるべく話をする時間を多くしてそこから学びたいと思っていました。
私の場合、よく先生に言われたのは「第二言語話者の英語のスキルとしては概ね問題ない。伝えたいことはある程度伝えることができているし、こちらの意図も通じる。ただ、正しい表現で伝えるという点ではまだまだ改善の余地がある。つまり、今の君はヘンな英語をしゃべる第二言語話者だ。そこを直していこう。そして、ネイティブ同士の会話にもついていけるようにレベルの底上げを目指していこう」ということでした。
多少、先生によって相性の良し悪しはありましたが、先生の質、教え方には大きな不満を感じることはありませんでした。多様なバックグラウンドの先生と話ができ、楽しい時間を過ごすことが多かったです。
効果はあったのか
客観的な指標としては、受講終了直後に受けたTOEICが915点にまで上がりました。特にリスニングが485点と非常に優秀でした。(たぶんまぐれ)
いかがだったでしょうか。ベルリッツに通う前に、巷にベルリッツレビューが多くなかったので書いてみましたが、みなさんのお役に立つ情報が少しでもあれば嬉しいです。それでは。