現役戦略コンサルタントが語るブログ

元コンサルがすなるブログといふもの

男もすなるブログといふものを元外資コンサルもしてみん。なんやかんやで今は起業した会社の経営者。

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コンサルが社会人の自己分析フレームワークを考える

社会人になってほどほどの年数が経ち、その年数の中でプロモーションも経験させてもらいました。一方で 転職する同僚も多く、改めて今後の自分のキャリアについて時間のある正月に考えました。

キャリアについて考えるにあたっては、自分が何によって幸せ・充実感を感じるのか、という自己分析が大切ですが、以前から私は充実感をもたらす構成要素は、「内的な充実度」と「外的な充実度」、この2つの要素に因数分解できると考えていたので、それについて書きたいと思います。

内的な充実度と外的な充実度とは

内的な充実度とは、知的好奇心が満たされ満足を感じる、できなかったことができるようになり満足を感じる、など外部・第三者の評価に関係なく感じる満足のことを指します。

それに対して外的な充実度とは、高い給料、会社での昇進、社会的な地位や名声など外部からの評価によって得られる満足のことを指します。私はビジネスパーソンの幸せや充実度は主にこの2つの足し算によって構成されていると考えるのが簡単で整理しやすいのではないかと思っています。

充実度の方程式

充実度=α(内的な充実度)+β(外的な充実度)

α>β:内的重視型

β>α:外的重視型

内的重視型の人は、学者・研究者・職人などに向いているでしょう。外的重視型の人は、歩合制の営業マン・起業家などに向いていそうです。 

内的重視型と外的重視型、どちらがいいかという問いには正解はないと思っています。私自身はかなりの内的重視型なので、外部に左右されず幸せになりやすい内的重視型を推したいのですが、ゴリゴリの外的重視型で貪欲に成功をつかみとっている人も多いですし、これは性格の問題で「正しい/正しくない」の設問設定自体にあまり意味がないでしょう。

シンプルに自分の幸せに影響を与える重要度の大きい構成要素は何か、内的・外的の2軸のフレームワークで考えるのは整理しやすくないですか、という提案です。

*Think Clearlyは幸せになるコツが論理性を失わずに書かれている稀な本です。自己分析や自分の生き方を振り返る際のお供にお勧めです。

Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法
 

自分のパーソナリティをどのように判断するか

内的な充実度・外的な充実度という概念があるとして、自分はどちら重視型なのか、どのように判断すべきでしょうか。ありきたりですが、普段の生活や仕事をしている中で何に充実を感じたか、という観点で洗い出しをしていくことが有効だと感じています。

これは就活時の反省なのですが、当時は「社会課題の解決・グローバルな活躍・テクノロジーで社会を変える」など高尚なコンセプトや理想を振りかざしすぎ、ボトムアップで自分の幸せを構成する要素の洗い出しを重視しなかったということがありました。

改めて自分の幸せ要素を洗い出すと、

  • 新しい知識を得られたときに大きな喜びがある(内的)
  • 自分で面白いストーリーを思いついたときに大きな充実感がある(内的)
  • 自分が面白いと感じたことを広く他者にも共感し認められてもらったときに大きな喜びがある(外的)
  • 給料も高ければ嬉しい(外的) 

などといった要素があり、一言で言えば「いろんなことを追及して新しいことを知ったうえで付加価値を加え、それをわかりやすく伝え広く認められること+お金」が私に充実感をもたらすプロセスと言えそうです。前半が内的、後半が外的要素です。

特に前半部分で私は結構充実を感じるので、内的な知的好奇心を満たす活動にどれだけ工数を割けるかが私の日常的な充実KPIとして重要です。

私が自身のキャリアのなかで候補に挙がって迷った職種には、経済学者、シンクタンクの研究者、書籍やビジネス誌の編集者、経営コンサルタント、国際機関の職員などがあったのですが、国際機関の職員を除けば上記のプロセスが仕事において登場してくる職種であると言えます。逆に言えば、国際機関の職員を目指した際には高尚な考えに洗脳されすぎ、自分の幸せをコツコツ積み上げる要素を軽視していたと言えます。

編集者も後半の「まわりにわかりやすく伝え認められること」にはフィットしますが、比重の高い前半が少し物足りない気がします。編集より自分で本や記事を書いた方が向いているかもしれません。

コンサルは前半に特にフィットしますが、自分の考えを広く伝えて認められる、という広さがそれほどありません。私の場合、これをこんなブログやTwitterでの発信で補っているというわけです。将来的にも内的な探究活動に工数を割くことが許される職業を選びつつ(結構コンサルでも満足)、まわりへの発信力を強めていくというのが私の充実度を最大化するための基本方針になりそうです。

こういったように内的・外的どっちかなというフレームワークで自己分析を進めると私の場合は、自分への理解が進みました。国際機関の職員はあまりフィットしないかもしれないな、といったように消去法的に実は向いていない職業を見極めることにもつながり、転職にあたっての軸にも使えるかと思っています。

後半は自分語りになって失礼しましたが、シンプルで使い勝手がいいフレームかなと思いましたので、ここまで書き連ねました。年を重ねるにつれて充実度の構成要素とそのWeightも変わるでしょう。年に何回かはこんなフレームワークをつかいながら充実度方程式の点検をしようかなと思っています。

皆様にとっても多少なりの参考になれば幸いです。