早くから1つのことに特化するな。書籍「RANGE」から読み解く知識の幅のススメ
みなさんは、1万時間の法則を聞いたことがあるだろうか。
何かのプロフェッショナルになるには、1万時間の鍛錬が重要だ、という説のことである。タイガーウッズは、幼少期から圧倒的なゴルフの才能を見せ、ゴルフに子供のころから特化することで、史上最高のゴルファーの1人になった。藤井壮太さんも、幼少期から猛烈に将棋の鍛錬を積んでいる。めちゃくちゃ凄い。
1万時間の法則が重要ならば、とにかく幼少期から得意なことを把握し、特化する領域を決め、早期から1万時間を積み上げ、先行者優位をもってエキスパートになるのが成功の近道に感じられる。これで子供を天才に育てられるというわけだ。
この「RANGE 知識の幅が最強の武器になる」という本は、ひとことでいうと
全然そんなことねえよ。そんなに世の中単純なわけあるか。
という主張の本である。
論理構成は、極めて明快なので、端的にまとめてみる。
まず、世の中は2つの世界に分けられるという。
1つ目は、膨大な反復練習によってスキルがどんどん上達する「親切な世界」である。筆者は、親切な世界の特徴を、「同じパターンが繰り返し現れ、非常に正確なフィードバックがアクションの後に即座に得られること」だとしている。
ゴルフは、まさにこれに該当する。ボールを打つ、という繰り返し動作が存在し、打ったあとに、成功したかどうかのフィードバックが直ちに得られる。学習環境としては極めて「親切」であり、この親切な世界では、膨大な反復練習がスキルの向上に結び付きやすい。
しかし、薄々お気づきの通り、世の中のほとんどは、ゴルフとは違う、と筆者は述べる。「意地悪」な世界がこの世界の大半を支配しているという。
意地悪な世界とは、
・ルールが不明確、ルールもあるのかないのかよくわからない
・繰り返しのパターンがあったりなかったりする
・フィードバックは遅くて不正確
という世界のことである。
例えば、仕事。例えば、子育て。例えば、人間関係。
よりによって、世の中の大事なこと(仕事、家族、友人関係など)の大半は、意地悪な世界に置かれていることが非常に多い。
こういった意地悪な世界では、学んだパターン則って行動すると、課題解決のアプローチの幅自体が狭くなり、課題解決力がむしろ下がる傾向にあるという。
とにかく何か得意を見つけてそれに特化して、鍛錬を積み続ける。というアプローチは、親切な世界でしか通用せず、より複雑な世界で生き抜くためには、異なるアプローチを考えるべき、というのである。
書籍の中では、そのHow論についても多く語られているが、簡単に言えば、知識と経験に幅を持たせろ。異なる分野の知識をつなぐことで課題解決力は大幅に上がるし、経験の裾野が広いほど、多様な組織で適切なリーダーシップを発揮できる。
経験と知識の幅、RANGEこそが、この意地悪で複雑な世界を生き抜くための重要なアセットになる。
と、こういった論旨である。
さて、ここからは私の感想、大人の読書感想になる。
私はこの、「人生、知識と経験の幅が最強の武器」という考え方が、めちゃくちゃ刺さっている。
なぜなら、私は結果的に、幅人間になっている自覚があるので、なんだかそれを肯定してくれているようで救われたというか、嬉しいという点が何より大きい。
私の経歴を振り返ると、高校では理系で物理に魅せられて、大学では物理工学を学ぼうと決意し、浪人までしたものの、いろいろあって、自分に向いているのは経済学だ、と思い至り、浪人中の願書提出直前に志望校を全部変え、経済学部のみ受験したりした、理系なのか文系なのかよくわからない人間である。
大学では経済学が大好きになり、大学院にまで行って経済学を勉強したし(途中でやめちゃったけれど)、経済学者を志そうと考えていた時期もあった。
そして今に至るまで、コンサルになり、起業して会社を経営して、そして今はまた大企業に戻ってM&Aの仕事をしたりと「あれこいつ学者になるとか言ってた人間か?」みたいな幅があるとしかいえないキャリアを歩んでいる。
物理が好きだ!と言っていて、東大に進み、今も研究者として成果をあげている友人の姿がまぶしく思えるところだが、いや待て。知識と経験の幅が、めちゃくちゃ強みになるというではないか。これは心強いことこの上ない。
そして、私はこのRANGEという概念について、1つ思うことがある。それは、本気のRANGEにこそ、大きな価値があるのではないか、ということ。
この本の中で、印象的なのがゴッホの話である。ゴッホはいつも「これが私の天職だ!これしかない!!」と叫んで何かに打ち込んでは、しばらくすると、関心をなくし、違う仕事を始めていたという。画商⇒聖職者⇒教師などなど。ゴッホが画家になってからも、この手法が究極だ!といっては、数か月後に違う手法にのめりこんでいる、といった具合だったという。
私は、ここで重要なのは、やっているときは、この分野の一流に登り詰める!という志で本気で取り組んでいる、ということではないかと思う。
矛盾するようだが、「まあ、幅が大事だというし、幅を出すために、ちょこっとこのへんもかじっておくか」、という生半可な意識で取り組んだ経験や知識は、ほとんど血肉にならないと思うのである。やっているときは、1万時間の鍛錬を行って、いちはやくトップになってやるという気概が必要だと思う。
常に本気で、その分野に取り組み、そのうえで、ふと、何かもっと違うことがやりたい、真に向いているのはこっちな気がしてきた、というときに、いままでの知識や経験が無駄になってしまうかも、と考えるよりも、むしろ本気の知識や経験の自己多様性は強みになるんだと、いままで積み上げたものはサンクコストじゃねえ、次に生きる自分のユニークアセットなんだと、そう信じて次のチャレンジに一歩を踏み出す、その勇気をくれる本だったように感じている。
人生100年時代、早期特化で100年間それをやり続ける人なんて、むしろマイノリティーであろう。転職したり、キャリアを変えたり、定年してから新しいことに挑戦したり。そういう人たちを励ましてくれる一冊ではないだろうか。
最後に、
1万時間の法則については、こちらのマルコム・グラッドウェル氏の本にまとまっているので、関心のある方は手に取ってみるとよいと思う。私は結構この本から影響を受けて、詰まるところ、何事も量が大事なのだよ、量が。と思って努力するようにしている。何かを本気でやるときは常に1万時間の覚悟である。RANGEは目指すのではなく、結果的に生まれるのだ。
近況報告!(2024年)
ブログの更新頻度が、年に1回になっている主です。ご無沙汰しております。
もともとは、「コンサルがすなるブログといふもの」というタイトルで始めたこのブログでしたが、気が付けばコンサルも卒業し、ブログアイデンティティの喪失危機に直面したりもしました。笑
このあたりで一度、どんな感じのキャリアを歩んできたのかをサマライズし、ブログアイデンティティを取り戻したく思います。
さて、私はご存じの通り、新卒で外資系のコンサルティングファームに就職しました。いわゆる「戦略系」と呼ばれるようなところです。そこでの私ですが、1年目はかなり評価もパフォーマンスも低かった自覚があります。どんな感じだったのかは、こちらを読んでいただけるとよいでしょう。
少々物騒な記事のタイトルですが、この記事はひっそりとした反響があり、もしかすると誰かの命を救ったのではないかとも思っています。誰かの心を軽くできたなら、ブログをやって本当によかった。
すっかり参ってしまった1年目でしたが、2年目に私の面倒を見てくれたマネージャーやチームメンバーがすこぶる優秀なうえに、クライアントにも恵まれ、自分でも驚くほど、劇的に仕事が回せるようになりました。評価もぐっと上がりました。
それ以降は、しんどい仕事も多かったですが、かなり楽しく、充実感のあるコンサルライフを送れたように思います。
そんななかで、当時の友人に起業しないかと誘われました。コンサルライフは充実していたものの、
・自分でサービスや事業をつくってみたい。どこまで通用するかやってみたい
・20代後半くらいで、養うべき人もおらず、起業するなら今しかないタイミング
・コンサルでマネージャー、シニアマネージャーとやっていくのも、めちゃくちゃしんどそうだし、いつかコンサルじゃない領域に出るキャリアになりそうだと漠然と思っていた
といった心境で、会社を共同創業しました。
起業してから最初にやろうとしたサービスは、どこからどうみても大失敗し、こりゃあ1年後には借りた金を返すくらいコンサルの業務委託の仕事をして会社は解散か、と思われましたが、2つ目のサービスでヒットを打つことができ、それなりの売上の事業をつくって食べていくことができるようになりました。
ただ、ニッチなマーケットで、ニッチなサービスをつくったので、安定して黒字をだせるようになったものの、何十億という売上は市場シェアを500%とか2000%くらい獲らないと見込めないなあということや、同じようなニッチな新サービスをつくることに今後の10年を捧げるのか、ベンチャーというより優良中小企業オーナー経営者という立場をゴールにしていいのか、というなかでちょっと違うかも・・という感が強くなっていきました。
というわけで、私が立ち上げたサービスも安定し、私が関わらなくても事業が回るようになったタイミングで、よい人も採用できたのであとは残りのメンバーたちに託し、私自身は会社を離れて次のチャレンジに進むことにしました。
そしていまは、
・大きな事業に携わりたい。大きな事業の創り方、運営の仕方を体感したい
・スタートアップに関わる機会のある仕事がしたい
・スタートアップのEXITの1つとしてよくあげられるM&Aに関心。M&Aってされた後の方が大事だと思うけれど、どうやったら良いM&Aが実現できるのか
・結婚したので、子育ても見据えて、ホワイトに働きたい。お金もだが時間も大切
といったことを考えまして、とある上場企業にて、スタートアップのM&Aや、M&Aした企業の経営支援を行うチームで仕事をしています。
個人的には、この領域で経験を積みつつ、少々アカデミアな方向性からもこのテーマにアプローチしてみたい、という気持ちがありまして、どこかでMBAとか考えてもいいかもなあ、などと夢想しています。
あと私は、こんなブログやらSNSやらをやっていることからわかる通り、発信したり、何かを伝える・教えるということが好きなので、ビジネススクールや大学などのどこかしらで何かを教える、書籍などを出す、ということを人生後半にやりたいこととして考えています。そんな意味でも、どこかでMBAやアカデミアまわりと接点を作るのは良い考えかもな、などなど。
より大きな規模のビジネスに携わりながら、そこの経験などを、世の中に還流していく。そして家族とも楽しく過ごす。
そんなことができるように、次の10年は頑張っていきたいなと思っています。
ブログも、もっと更新頻度を上げようと思っているので、今後とも末永くよろしくお願いします。ではでは。
「消費」以外のお金の使い方を知ると人生の幅が広がる話
お金持ちになれるのならなりたい。
ではお金持ちになったら何をしようか。
高級な家に住み、ブランド物を身につけ、高いレストランでごはんを食べる。
お金を消費して得られるモノやサービスはたくさんあって、それはそれで楽しいけれど、そこから得られる幸福感は慣れという魔物によって2回目以降如実に下がっていく。
生きるために必要なお金は絶対にあったほうがいいけれど、年収と幸福感の相関関係は、年収800万円くらいで頭打ちだとも言う。
お金は良い物やサービスを買う、という以外に素敵な使い方はないのだろうか。
私はお金には、消費以外に2つの使い方があると思っているので、自分の考えの整理がてら、ここに書いてみる。
1つは、価値を買うのではなく、価値を創り出す活動にお金を使うこと。投資と言っても良いのだけれど、ここで言いたいのは株を買ってお金を増やそう、みたいなこととはちょっと違う。
これは特に自分で会社を起こしてから強く感じるようになったのだけれど、自分のアイデアを形にする活動にお金を投じる。そういうお金の使い方を覚えると、人生、末長く楽しめる。
消費で得られる喜びは一瞬のピークを残して過ぎ去るけれど、自分にしか生み出せない価値を育てていく活動は、ロングジャーニーで、10年単位で楽しめる。
私は消費を中心とした活動のみで人生を楽しむには、人生はちょっと長すぎるのではないかと思っている。自分にしか生み出せない価値を世の中に創造する。消費ではなく、世の中に供給する活動があってこそ、社会参加の実感や生きる意味が得られて、充実感が得られるのだと思う。
そしてこの活動はうまくいくと、お金を使ったはずが、なぜか増えて戻ってくることが多い。
私はいま、「起業」を「自分にしか生み出せない価値を世の中に創り出す活動」の1つとして例にあげたけれど、結局のところ、一番尊敬に値する活動は、子育てではないかとも思う。
自分がいなかったら生まれなかったもの。
それを育み、世の中に送り出していく。
こういった創造的な営みにお金を使い、楽しむことを覚えると、人生はちょっと短すぎるのかもしれない。
もう1つのお金の使い方。
それはただただ、持っているだけで人生の選択肢が広がるという、お守り効果。
お金によって制限される人生の選択肢は本当に多い。それなりに裕福な家庭だと、気づかないまま大人になることも多いけれど、スポーツを続けられるか、大学に行けるか、どこに就職するか、結婚するか、子供を持つか、子供にどんな環境を与えられるか。
また起業の話で申し訳ないが、誘われて起業するときも、コンサル時代に謎に溜め込んだお金があったから、「まあ1年くらい役員報酬なくても問題ないし、楽しそうだしいっちょやるか」と腰を上げたという側面もあった。
お金を持っているだけで、シンプルに人生でとりうるリスク許容度が上がる。
お金によってチャレンジできる権利すら狭まる、無くなるというのは、それは正しい社会なのか、という論点はあるけれど、現実問題、いまはそうなっていると思う。
お金は持っているだけで、諦めなくていい選択肢が増える。それはとても偉大なことだと思う。
(察しの良い読者はお気づきと思うが、2つ目の価値は、「創造的活動にお金を使う」という話に対して、どんな「創造的活動」が選択可能か、そして、「その創造的活動にどんな投資を行えるか」というサブ論点的な構造になっており、同じ粒度の話になってはいない。ちょっとキモい論理構造になったなと書きながら思ったが、わかりやすさとメッセージ性優先で、ここは創造的スルー(?)をすることとした)
話をまとめると、
・お金を消費してモノやサービスを楽しむだけだと、長い人生、飽きがきてしまうと思う
・消費活動ではなく、創造的活動、自分にしか生み出せない価値を育て、世に送り出す、そんな活動のためにお金を使うことを覚えると、長く楽しめる
・それは例えば起業だったり、子育てだったり…etc
・どんな創造的活動にチャレンジするか、という選択肢の幅を持ち、適切なタイミングでリスクを取るためにも、お守りのようにお金は持っておくとよい
価値を消費するためでなく、価値を創り出すためにお金を使えるようになると、人生はずっと楽しくなるのでは?という、そんなお話でした。
近況報告!(2023年)
ブログを見ていただいているみなさん、随分とお久しぶりになりました。すみません。
最後に更新したのが2年ちょっと前ですので、いつのまにか時が経ちました。
この2年、いろいろありまして、新卒から勤めていたコンサルティング会社を退職したり、そのまま仲間とともに会社を立ち上げたり、会社を立ち上げた後は、うまくいかなかったり、ちょっとうまく行ったりと、バタバタと、けれどもなかなかに楽しくやっておりました。
人生で一番、青春したような気がします。
せっかくのブログなので、たまには更新して、有効活用していきたいなと思ってます。
果たして今は「コンサルのすなるブログ」なのか、という問いはありつつ。笑
いったん、「元コンサルのすなるブログ」くらいにしておきます。
1つ記事を公開しましたので、みなさん、気が向いたときに読んでいただけたら嬉しいです。
ではでは。
ゼロから始めるファイナンスの勉強 この本から読もう
なぜファイナンスを勉強しようと思ったのか
ファイナンス、皆さんは馴染みあるでしょうか。
この分野のプロとして活躍されている方もいますが、正直あまり馴染みがない人が多いのではないでしょうか。ぼちぼちコンサルをやっている私も、実際ファイナンスについては疎く、昔にうっすらと勉強した簿記の知識が儚い幻となって漂っているような状態でした。
コンサルでも企業のM&Aに関わるような領域では、かなりファイナンスに強い方が多いのですが、私は新規事業の立ち上げや組織改革といった売上とコスト、つまりPLさえ見ていれば何とかなるような世界でばかり生きてきたため、コーポレートファイナンスと言われる分野に接することなく、そして接する必要性も痛感することなく生きてきました。
そんななか、私はとある本を手にしました。
大前研一氏の「企業参謀 戦略的思考とは何か」という一冊です。
大前研一氏は1972年にマッキンゼーに入社され、その後マッキンゼー日本支社の社長、アジア太平洋地区会長まで務めた日本のコンサル市場を立ち上げたレジェンド的な人物でして、その大前氏がマッキンゼーで仕事をしながら取りためたメモノートを一冊にまとめたのがこの企業参謀という本です。
これはこれでめちゃくちゃためになるコンサルのバイブル的な本なんですが、その中にファイナンスから距離をとってぬくぬくしていた私がガツーンと食らった一文がありました。
その文章は、”第1章 戦略的思考入門の5 問題解決成功の尺度となるもの”というパートに記載がある以下の文章です。
企業の本質的目的が生存と成長にあることを考え、企業成長の原動力が利益であることを念頭に置くならば、企業内の問題解決の成否の第一の尺度は、財務情報によってもたらされなくてはならない。(企業参謀, p53)
当たり前すぎて、今さら何?という感じもあると思いますが、コンサルの仕事の成否は財務的な数量数値、もう一歩踏み込めばファイナンスで測られるべきということです。
この後、どのような指標を使えばいいかが記載されていくわけですが、このとき私は自分の仕事をファイナンス的な思考でもって分解し、どのパラメーターをどう上げるからこそ利益が生じるのか、改めて体系立てて理解する必要性を強く感じました。
このときの私の知識レベルは、「これからの時代はROIC経営だね」などと言われても、ピンと来ていない、ROICってほらあれよあれ・・、みたいな残念な状態であったとお伝えしておきます。
私はこの企業参謀の章を読んで、ファイナンス感覚のない自分に非常に強い危機感を覚え、勉強を始めることにしました。
ちなみにこの企業参謀は、大前氏が30歳ちょいのときに執筆されたそうです。化け物です。
1冊目は、ざっくりわかるファイナンス
大前研一氏からの喝を勝手にもらいまして、ファイナンスへのやる気を高めた私ですが、正直何から手を付けたらよいかわかりません。
社内の人に聞いたり、よさげな本がないかを探した結果、ありました、タイトルからまさに私みたいな人物のために書かれたような本が。
ざっくりわかるファイナンス~経営センスを磨くための財務~
何かを理解するときは、まず全体感をつかむのが先で、個別の領域の深い理解を進めるのはざっくり全体像をとらえた後にしたほうが効率的です。
この本は名前の通り、各論に深入りしすぎず、ファイナンスの全体像を明るく照らしていきます。私は、第1章が、会計とファイナンスはどう違う?から始まるのが好きです。
扱うテーマは幅広く、財務三表の説明から、利益重視の欠点、負債コスト、株主資本コスト、CAPM理論、WACCの説明、負債の節税効果、現在価値、会社の値段、投資の判断基準、最適な資本構成とは、といった内容がかなり簡単にわかりやすく紹介されています。
この1冊から始めることで、ファイナンス、ヨクワカラナイ、ヤメル、みたいな状態になるリスクがぐっと下がるのではないかと思います。
2冊目は、財務3表一体理解法
ファイナンスと言えば、まずは基本として財務3表をしっかり理解しなくてはなりません。しかし私は、PL人間、BSとCSについては誤魔化し誤魔化し生きてきました。
何となく忌避感を持っていたのは、学生の頃、少し簿記の勉強をした際に、仕訳やら何やらから始まり、「この世にはこんなにつまらない学問分野があったのか」、と思い、簿記を受験することすらさっさと辞めたことに起因しています。
一度、つまらん、無価値、と判断したものを改めて拾い上げるのにはなかなかパワーがいるものです。
そんな私ですら、この本は、「なんだよ、実は会計って面白かったんかい」、と思い直したほどよくできています。何しろ、仕訳が出てこない。笑
会計の専門家になるつもりのない、営業や技術系の人たちにとっては、簿記や仕訳の勉強は興味がわくものではありません。
私の会計勉強法は、この簿記・仕訳をすっ飛ばして、日々の伝票がPL・BS・CSのどこに記入されているかを追いかけていきます。(財務3表一体理解法、p18)
ああ、素晴らしい。メインディッシュの前の青汁が苦すぎて不味すぎて、メインにたどり着く前に多くの人が店を出てしまう、そんなコース料理が鉄板だった会計に新しい光が差し込みました。
正直、財務3表に関してはこの本を読めば間違いないです。
そして私個人としてはこう言いたい。会計の専門家を目指す人以外、簿記なんて受けるの辞めちまえ、この本読んどけ。(この本読んでからなら、簿記ももう少し楽しめたかもしれません。笑)
3冊目は、コーポレートファイナンス 戦略と実践
こちらは言うなれば、ざっくりわかるファイナンスの進化版といった位置づけでしょうか。より企業戦略にファイナンスを近づけた記載が多く、財務情報を活用した企業分析やDCF法による事業価値の算出、M&Aにおける買収金額の決め方、配当の決め方など実務レベルにいる多くの方にとっても興味を持ち続けて読める内容です。
この本の初めに、企業戦略におけるファイナンスの重要性が記されているのですが、これにもなるほどと思わせられました。
なぜ、FAANG(Facebook, Amazon, Apple, Netflix, Google)は日本で生まれないのでしょう?
答えは「日本企業の戦略上に圧倒的に欠けている要素があるから」。
それがコーポレートファイナンスです。
いいものを作れば売れる時代は終わりました。絶妙なタイミングで最適な資金調達を行い、大胆かつ緻密に練られた投資戦略を実行する、そうして初めて企業は移り気な顧客に長く愛される存在になります。(p1)
ざっくりわかるファイナンスである程度知識がついている部分は、ささっと読みながら事例研究やより詳細に説明がされている部分にフォーカスして読むと効率的かつモチベーションを高く保って読めるのではないかと思います。
4冊目、箸休めのファイナンス思考
3冊目まで読めば、ある程度ファイナンスがわかってきます。
すると、実際に会社を経営している人は、ファイナンスをどうとらえているのかな、ということが気になってきます。そこで手に取ったのが、このファイナンス思考という本でして、著者の朝倉祐介さんは、騎馬騎手養成学校→東大法学部→マッキンゼー→ミクシィCEO→ラクスル諸々で社外取締役といったキャリアを歩まれています。
経営者、役員として活躍される方が、売上至上主義で事業を進めてしまうとどのような弊害が生じるのか、ファイナンス感覚を持って経営を進めることがどれだけ重要なのか、といったことを説いており、3冊目で紹介した通り、日本企業の伸び悩みの原因はファイナンス感覚の薄さが一因かもしれないと改めて思わされます。
この本には、PL脳という表現がよく出てきて、PLだけを見て事業を考える人が批判されるのですが、私のこと過ぎて刺さりました。
読んで楽しい、箸休め的な1冊です。
これから読もうとしている本(まだ読んでない)
ぶっちゃけ私はまだまだファイナンスの超初学者でして、これからもっと勉強せねばと、そんな決意を新たにしながら、この文章を書いているわけですが、これから読んでいこうと考えている本と勉強プランを最後に書いておきます。
・企業価値評価(入門編)
多くの方が、企業価値について勉強するなら、まずはこの本からでしょう、と口を揃えるので早速購入した一冊。企業価値評価は、奥深い分野である分、やる気を暴走させてすさまじく分厚い難しい本をいきなり買って、挫折するという事故がよく起きがちなのではないかと思います。笑
この本は、260ページほどで、かつ入門編ですので大丈夫なはずです。読みます。
・ROIC経営
KPMGが出版している一冊でして、近年耳にすることの多いROICを指標とした経営について、ROICの意味性、活用の必要性、機関投資家の期待などが解説されています。
企業価値向上を掲げたものの、それをしっかりマネジメントできる数値に落とし込んで経営を進められている企業が少ないことに大きな課題認識を持ち、そこに対して書かれた本だと理解しています。読みます。
・ROEが奪う競争力
これは、投資家を喜ばせる経営が価値創造を妨げる!と主張している本でして、少しは批判的な本も読んで視野を広げねばと思い、積読している一冊です。フォロワーさんから教えてもらいました。
ファイナンスを語るうえで頻繁に登場するものにROEの目標水準を8%と掲げた伊藤レポートがありますが、正直私はこのあたりの事情に疎いので、そこを補完したいという思いもあります。読みます。
その他
もっと深い学びたい、独学では限界感じる、、という方は、例えば、グロービスの社会人向けのコースでファイナンスを勉強してみる、という選択肢もあるかもしれません。調べてみると、2週間に一度、土日のどちらかといったスケジュールのようなので、社会人でも何とか時間はつくれそうですし、授業料も10万円程度のようです。なお、私は何らかの分野で将来は教える側の人間に回ってやろうと思い続けているので、MBAなどで教える側に回る日のために、MBAには常にうっすら関心があります。
Udemyにも多くの講座が存在しています。例えば、【 財務プロを極める 】エクセルで学ぶ財務三表モデル × 財務戦略シミュレーション、などはExcelを使いながら実際に財務3表の作成していく方式の講座のようです。5.5時間とありますし、これは購入して受講しようと思っています。
他、この本読んだほうがいい、このコースを受講するといいなど、何かしらアドバイスありましたら、みなさんご指導・ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします!
積読本が消化できましたら、また感想とともに報告したいと思います。
なぜコンサルは激務なのか
なぜコンサルは激務なのか
先日、なぜコンサルは激務なのですか、という質問を頂きました。
その時は以下のように答えたのですが、もっとこう業界構造的な理由もあるなとこの後考えを巡らせまして、今回は構造的に激務になりがちな理由を書きたいと思います。
https://twitter.com/gaishiponkoz/status/1355699257957736448
コンサルファーム間の競争の結果として激務は当然の合理的帰結
コンサルティングという仕事は、工場や機械をつかった活動ではなく、基本的に人が稼働することで価値を生み出す仕事です。仕事の量と質をあげるためには、人数を増やすか、人の稼働時間を高めるか、人の生産性を上げるか、いずれにしても人にまつわるファクターしかありません。
このなかでコンサルファーム間の競争について考えます。A社とB社がある案件を巡って競争していたとします。勝つためには、価格を下げるか、納期を短くするか、成果物のクオリティを高めるか、このあたりで勝負することになります。
A社とB社の人員の質に有意な差がなく、またA社が労働時間を厳格に守る企業だとした場合、B社は毎日の深夜労働をメンバーに強いることでA社の半分の期間で案件を遂行する、あるいはA社よりはるかにクオリティの高い成果物を仕上げることができ、A社に対して強い競争優位を築くことができます。
ホワイトA社に対しては、ブラック労働という戦略が非常に有効であるため、コンサル企業間で正しい競争作用が働けば働くほど、ナッシュ均衡としてはコンサルタントは限界まで働くという状態に帰着すると思うのです。
社内のコンサルタント間の競争の結果としても激務になりやすい
先ほどは企業間の競争という観点で考えましたが、次は社内の競争でも考えてみましょう。
コンサルファームに勤務するコンサルタントはある種の個人事業主に近い感覚を持っています。自分の働きが認められなければ、プロジェクトへアサインされなくなり、会社を出ていかなければならないため、コンサルタント間でも一定の競争が作用します。
自分が周りに比べて際立って優秀であることをアピールするためにあなたが採用する戦術は何でしょうか。
成果を得やすい戦術は、めちゃくちゃ長時間働くことです。仕事の質も量も大体は労働時間に比例します。毎日8時間労働しかしないコンサルタントに対して、毎日16時間あなたが働いたなら、かなり高い確率で8時間コンサルタントより高い評価を獲得できるでしょう。もし8時間以上労働するな!と言われても、こっそり働いて8時間で16時間分の素晴らしい仕事をしたことにしたくなるでしょう。
このように社内の競争においても、正しく競争が作用すればするほど、長時間労働をみんなが行うようになると考えられます。
長時間労働に対して企業が受けるデメリットの拡大
上記のような背景から、企業としても長時間労働してくれるスタッフがいると他社に対して競争優位が築けるし、スタッフも長時間労働を積極的に行ってくれるから、長いこと何ら長時間労働を改善しようというインセンティブが生じず、結果コンサルは激務というものがカルチャーとして定着したのではないかと思います。
ただ、最近はブラック企業というイメージが採用コストを大幅に上昇させています。あそこはブラックらしいと有名になり、誰も会社に来てくれなくなった場合、コンサルファームは売上の拡大を図れません。単価はそう簡単に2倍、3倍になるものではないですので、人員を2倍にして受ける案件を2倍にしたほうが売上は簡単に拡大します。人の流出のほうが多くなったら、それに伴って売上は縮小します。人が取りにくくなることはコンサルファームにとっては致命的な痛手です。
ワークライフバランスやブラック企業への問題意識の高まりとともに採用コストが上昇し、コンサルファームもブラック企業のイメージを払拭するべく意識を持ち始めたというのが現在の立ち位置かと思います。
コンサルファームのホワイト化は進むのか
ブラック企業イメージによる採用コスト上昇を解決すべく、多くのコンサルファームでは労働時間の改善を進めています。しかし、ある程度ホワイト企業であるという見え方をされるようになり、また人が採用できるようになれば、それ以上はホワイト化を推し進めるインセンティブはありません。
私がCEOなら、労働時間改善改革をぶち上げ、大々的に社外に発信し、採用コストが下がったところでなんとなくそれ以上のパワーはかけずに有耶無耶にします。
またコンサルタント間の競争の結果として激務になるというメカニズムに対してはメスが入れられていません。したがって、このままいけば、ある程度労働時間は改善するものの、コンサルタントが定時に帰るようなことはまず起きないと思います。これ以上に労働時間を減らすためには市場以外の力を借りるしかないでしょう。
本気で労働時間を是正するなら法的制裁以外にない
労働時間ルールを定めたところで、それを破ることで利益を総取りにできる場合、ルールを破るインセンティブは極めて強く、これを抑制するためには、ルールを破った者に対して制裁を行うと示す以外にはないと思っています。
ルールを破ることで他の競争相手を出し抜いて利益を得ることができるが、その結果として社会的に望ましくない状態が生じる、という構造は環境問題にも通じる構造かと思います。
例えば、ハーバード大学のレベッカ・ヘンダーソン教授が、環境問題に対して汚染を行う企業を止めることができるのは政府が法的制裁をとると明示的に脅しをかけられるときだ、という趣旨のことを述べているように(資本主義の再構築 p245)、この問題を本気で解決するためには政府による介入が必要不可欠でしょう。
あるいは・・、AIがコンサルタントの肩代わりをしたとき、パラダイムシフトが訪れるかもしれませんが。
またこの考えは、コンサルだけでなく、SEやアニメ制作など機械や工場ではなく、人が稼働することで何かを生み出すという職種全体にもいえるでしょう。機械や工場を扱う場合は、工場の稼働を最大化させることが重要で、人の稼働はそこまで重要な話になりません。人の稼働最大化がコアな競争力になっている職種はすべからく、激務になりやすい構造を持っているということは、理解しておいて損はないでしょう。
長時間労働について、政府が介入し制裁を行うほど重大な社会課題とみなさんは考えるでしょうか。ブラック企業の問題意識の高まりとともに労働市場からのプレッシャーでよい方向に動いてはいますが、それ以上の改善を強力に進めるべきでしょうか。
私はだいぶ長時間労働に慣れたこともあり、まあこういうWork Hardなとこがあってもそれはそれで・・、とブラックな考えによっていくところもありますが、持続可能な未来に向かって世界が本気で取り組む中では前時代的な考えなのかもしれません。優秀な人材の使い潰しや自殺という悲劇を繰り返すわけにはいきませんし。
みなさんはどう考えるでしょうか。
コンサルファームで守るべきスライドのお作法 ~絶対にこれだけはするな!~
2020年にTwitterで反響のあった不定期企画に「許せないシリーズ」がありました。Power Pointでスライドを作成するにあたって、それをやったらだめですよというタブーをつぶやいたシリーズだったのですが、100を超えるいいねがつくこともあり、かつだいぶタブーも溜まってきたので、ここでまとめて紹介し広く周知することで、コンサルファームにお勤めの皆さんの2021年のストレスを少しでも減少させようというそんな目的の記事になります。
これを読んだ人のなかには、細かすぎるだろ、なんだこいつ、と思う人もいるかもしれないのですが、多くのファームでは以下で紹介するルールを守らないとひっそりと上司の眉間にしわが寄ることになると思うので、ぜひ参考にしてください。
ボックスの長さ・位置・間隔は完璧に揃えてくれ
コンサルファームに入ると真っ先に、スライドを作成するときにはボックスは手動で移動させず、必ず左右上下揃え、間隔揃えのショートカットを利用して移動させろと言い聞かせられるかと思います。
やはりコンサルが作成する資料は、多額のコンサルフィーに見合った成果物としての美しさを備えているべきで、完璧に揃ったボックスには幾何学的な美しさが宿ります。
少しでもずれていると、美しい資料を作り続けてきた人にとっては極めて強い違和感を感じさせ、何となくいい加減な仕事をしているような印象すら与えかねません。ボックスの位置・間隔は徹底的に揃えましょう。
ちなみに、私はAlt H G Aのショートカット群を愛用してますが、手数が多いのでクイックアクセスツールバーにAlt 1など、自分の使いやすいショートカットで登録しておくとよいでしょう。
ボックスの上にテキストボックスを重ねて文字を書くな
たまにやっちゃってる人がいるんですが、ボックスのうえにテキストボックスを重ねて文字を書くことは基本的にNGだと思ったほうがよいです。これをしてしまうと、間隔揃えをしようとしたときにテキストボックスも対象に入ってうまく揃わなくなるなど、各種資料のメンテナンス性を大きく下げる要因となります。
ちなみにデフォルトの図形ボックスだと謎の色がついている、といった非効率を感じることがあるかもしれませんが、ボックスを右クリックすると下から4番目に「既定の図形に設定」という項目があるので、そちらで使いやすいフォント・色・枠線をデフォルト設定すれば解決するでしょう。
ボックスの上にテキストボックス重ねて文字を書くやつ、絶対許すまじ
— 外資系ポンコツ@戦略コンサル (@gaishiponkoz) 2020年12月23日
テキストに合わせて自動調整するテキストボックスはつかうな
テキストボックスには文字を書いていくと、その文量に応じてボックス自体の長さが変わっていく、「テキストに合わせて図形サイズを調整」というフォーマットがあるんですが、これはつかわないでほしいです。
これを使うと何が起こるかというと、上記で説明したようにせっかく揃えたボックスの長さが文章を書き換えていたらずれていく、という事態が生じてしまいます。
メリットも特に感じておらず、デメリットだけじゃないかと思っているので、皆さんもテキストに合わせて図形サイズを調整するボックスの利用は控えましょう。
テキストに合わせて図形サイズを調整するボックス、絶対許さないマン。
— 外資系ポンコツ@戦略コンサル (@gaishiponkoz) 2020年7月22日
箇条書きをお手製の「・」ではじめるな
スライドを作成する際に、箇条書きで文章を書くことはよくあると思うのですが、その際にお手製の「・」をつかって文章をはじめるのはやめましょう。
この何がよくないかというと、文章が二行にわたって続いた場合、以下のように
・箇条書きで書いている途中で
文章が二行目に突入したときに文章の始まりが揃わない
のが本当にダサい!!!
最悪なのが、スペースを入れて1行目と2行目の始まりを力技で揃えているケースです。これは文章を他の人が修正しようとしたときにメンテナンス性が非常に悪いのと、そんな努力するくらいならなぜデフォルトの箇条書きをつかわないんだ・・、ということでイラっとします。
Alt H U 2かクイックツールバーにこのショートカットを登録するかで箇条書きのフォーマットを利用することを習慣づけましょう。
PPTで箇条書きをお手製の「・」をつかい、
— 外資系ポンコツ@戦略コンサル (@gaishiponkoz) 2020年7月31日
・xxxx
xx
みたいに折り返したときにダサくなってるの許せないマン。さらに強引に手打ちスペースを打ち込んで見栄え揃えてるのを見つけるともっと許せないマン。
隠しボックスを絶対に残さないでくれ
スライドの枠外やボックスの後ろなどに消されずに残されたボックスが潜んでいることがあるんですが、これには細心の注意を払いましょう。
特に枠外にボックスが残っている場合は、表示される本体のスライドの位置が中心からずれます。何か違和感を感じたら変なところに消し忘れたボックスが残っていないかを確認しましょう。
フォントはMeiryo UIをつかえ、メイリオと混じらせるな
これは個人の趣味もあるんですが、Meiryo UIがいいですよね、やっぱり。Tweetでも大きな賛同を得ましたので、皆さんMeiryo UIにしましょう。
また数値や英語を記載するときに半角だったり、全角だったりとばらついている資料もしばしば見かけるのですが、統一感がなくダサいので気を付けましょう。
SDGsですからね、SDGsにはイラっとしますからね。
Meiryo UIに見せかけたメイリオ、絶対許せないマン
— 外資系ポンコツ@戦略コンサル (@gaishiponkoz) 2020年8月28日
文章途中で改行するときにEnterをつかうな、Shift + Enterをつかってくれ
文章の途中で改行したくなることがあったとします。その際、Enterを押して改行をしていないでしょうか。
これ、是非やめてほしいんです。改行するなといっているのではなく、Shift + Enterをつかってほしいのです。Shift + Enterは、文章の途中に改行するために存在しているコマンドでして、箇条書きでも箇条書きを続けたまま改行が可能です。
また、シンプルにEnterを押すと、一行目と二行目に微妙な隙間が生まれるケースが大半です。これは行間設定の影響なんですが、デフォルトの設定であれば新たな文章を始めたと認識されるEnterでは、一行目と二行目の行間が広くなります。
Shift + Enterならボックスの右端まで文字が詰まって改行が行われた自然な改行のときの行間と同じになります。このブログでいうと、こういうことです。
良い例(Shift + Enter)
1行目
2行目
悪い例(Enter)
1行目
2行目
めちゃくちゃ細かいんですが、気にするコンサルタントはかなり多いと思うので、皆さん遵守しましょう。
文章の最後は、体言止めか用言止めか、どちらかに統一してくれ
箇条書き等で文章を書くときの文章の終え方には
海外進出することが重要である(用言止め)
海外進出することが重要(体言止め)
の二種類が存在します。
どちらがいいかは上司やクライアントの好みもあるので絶対解はないんですが、どちらかに統一することは最低限のマナーだと思っています。
文末に用言止め、体言止めの両方が混在していると、統一感がないように見えてダサくなります。
また、文末に「。」をつけるかつけないかもどちらかで統一するように注意しましょう。
色に統一した意味性を持たせてくれ
まず、コンサルタントとしてスライドを作成するときには無駄にカラフルにしないことが原則だと思っています。それを踏まえての色使いですが、例えば、p1にメリットを赤いボックスに、デメリットを青いボックスに記載したとします。
そうしたら、良いことは赤で、悪いことは青で記載するように資料全体で統一しましょう。間違ってもp2でメリットを黄色いボックスで記載し始める、ということは辞めましょう。
ここで紹介したことは明日から即つかえるHow論ばかりですので、新人コンサルの方もコンサルでない方も学生の方もスライド作成の際に意識してもらい、将来受けるかもしれない上司からの小言を避けていただければと思います。それでは。


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