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男もすなるブログといふものを元外資コンサルもしてみん。なんやかんやで今は起業した会社の経営者。

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コンサルファームで守るべきスライドのお作法 ~絶対にこれだけはするな!~

2020年にTwitterで反響のあった不定期企画に「許せないシリーズ」がありました。Power Pointでスライドを作成するにあたって、それをやったらだめですよというタブーをつぶやいたシリーズだったのですが、100を超えるいいねがつくこともあり、かつだいぶタブーも溜まってきたので、ここでまとめて紹介し広く周知することで、コンサルファームにお勤めの皆さんの2021年のストレスを少しでも減少させようというそんな目的の記事になります。

 これを読んだ人のなかには、細かすぎるだろ、なんだこいつ、と思う人もいるかもしれないのですが、多くのファームでは以下で紹介するルールを守らないとひっそりと上司の眉間にしわが寄ることになると思うので、ぜひ参考にしてください。

 

 ボックスの長さ・位置・間隔は完璧に揃えてくれ

コンサルファームに入ると真っ先に、スライドを作成するときにはボックスは手動で移動させず、必ず左右上下揃え、間隔揃えのショートカットを利用して移動させろと言い聞かせられるかと思います。

やはりコンサルが作成する資料は、多額のコンサルフィーに見合った成果物としての美しさを備えているべきで、完璧に揃ったボックスには幾何学的な美しさが宿ります。

少しでもずれていると、美しい資料を作り続けてきた人にとっては極めて強い違和感を感じさせ、何となくいい加減な仕事をしているような印象すら与えかねません。ボックスの位置・間隔は徹底的に揃えましょう。

ちなみに、私はAlt H G Aのショートカット群を愛用してますが、手数が多いのでクイックアクセスツールバーにAlt 1など、自分の使いやすいショートカットで登録しておくとよいでしょう。 

 

ボックスの上にテキストボックスを重ねて文字を書くな

たまにやっちゃってる人がいるんですが、ボックスのうえにテキストボックスを重ねて文字を書くことは基本的にNGだと思ったほうがよいです。これをしてしまうと、間隔揃えをしようとしたときにテキストボックスも対象に入ってうまく揃わなくなるなど、各種資料のメンテナンス性を大きく下げる要因となります。

ちなみにデフォルトの図形ボックスだと謎の色がついている、といった非効率を感じることがあるかもしれませんが、ボックスを右クリックすると下から4番目に「既定の図形に設定」という項目があるので、そちらで使いやすいフォント・色・枠線をデフォルト設定すれば解決するでしょう。

 

テキストに合わせて自動調整するテキストボックスはつかうな

テキストボックスには文字を書いていくと、その文量に応じてボックス自体の長さが変わっていく、「テキストに合わせて図形サイズを調整」というフォーマットがあるんですが、これはつかわないでほしいです。

これを使うと何が起こるかというと、上記で説明したようにせっかく揃えたボックスの長さが文章を書き換えていたらずれていく、という事態が生じてしまいます。

メリットも特に感じておらず、デメリットだけじゃないかと思っているので、皆さんもテキストに合わせて図形サイズを調整するボックスの利用は控えましょう。

 

箇条書きをお手製の「・」ではじめるな

スライドを作成する際に、箇条書きで文章を書くことはよくあると思うのですが、その際にお手製の「・」をつかって文章をはじめるのはやめましょう。

この何がよくないかというと、文章が二行にわたって続いた場合、以下のように

・箇条書きで書いている途中で
文章が二行目に突入したときに文章の始まりが揃わない

のが本当にダサい!!!

最悪なのが、スペースを入れて1行目と2行目の始まりを力技で揃えているケースです。これは文章を他の人が修正しようとしたときにメンテナンス性が非常に悪いのと、そんな努力するくらいならなぜデフォルトの箇条書きをつかわないんだ・・、ということでイラっとします。

Alt H U 2かクイックツールバーにこのショートカットを登録するかで箇条書きのフォーマットを利用することを習慣づけましょう。

 

隠しボックスを絶対に残さないでくれ

スライドの枠外やボックスの後ろなどに消されずに残されたボックスが潜んでいることがあるんですが、これには細心の注意を払いましょう。

特に枠外にボックスが残っている場合は、表示される本体のスライドの位置が中心からずれます。何か違和感を感じたら変なところに消し忘れたボックスが残っていないかを確認しましょう。

 

フォントはMeiryo UIをつかえ、メイリオと混じらせるな

これは個人の趣味もあるんですが、Meiryo UIがいいですよね、やっぱり。Tweetでも大きな賛同を得ましたので、皆さんMeiryo UIにしましょう。

また数値や英語を記載するときに半角だったり、全角だったりとばらついている資料もしばしば見かけるのですが、統一感がなくダサいので気を付けましょう。

SDGsですからね、SDGsにはイラっとしますからね。 

 

文章途中で改行するときにEnterをつかうな、Shift + Enterをつかってくれ

文章の途中で改行したくなることがあったとします。その際、Enterを押して改行をしていないでしょうか。

これ、是非やめてほしいんです。改行するなといっているのではなく、Shift + Enterをつかってほしいのです。Shift + Enterは、文章の途中に改行するために存在しているコマンドでして、箇条書きでも箇条書きを続けたまま改行が可能です。

また、シンプルにEnterを押すと、一行目と二行目に微妙な隙間が生まれるケースが大半です。これは行間設定の影響なんですが、デフォルトの設定であれば新たな文章を始めたと認識されるEnterでは、一行目と二行目の行間が広くなります。

Shift + Enterならボックスの右端まで文字が詰まって改行が行われた自然な改行のときの行間と同じになります。このブログでいうと、こういうことです。

良い例(Shift + Enter)

1行目
2行目

悪い例(Enter)

1行目

2行目

めちゃくちゃ細かいんですが、気にするコンサルタントはかなり多いと思うので、皆さん遵守しましょう。 

 

文章の最後は、体言止めか用言止めか、どちらかに統一してくれ

箇条書き等で文章を書くときの文章の終え方には

海外進出することが重要である(用言止め)

海外進出することが重要(体言止め)

の二種類が存在します。

どちらがいいかは上司やクライアントの好みもあるので絶対解はないんですが、どちらかに統一することは最低限のマナーだと思っています。

文末に用言止め、体言止めの両方が混在していると、統一感がないように見えてダサくなります。

また、文末に「。」をつけるかつけないかもどちらかで統一するように注意しましょう。 

 

色に統一した意味性を持たせてくれ

まず、コンサルタントとしてスライドを作成するときには無駄にカラフルにしないことが原則だと思っています。それを踏まえての色使いですが、例えば、p1にメリットを赤いボックスに、デメリットを青いボックスに記載したとします。

そうしたら、良いことは赤で、悪いことは青で記載するように資料全体で統一しましょう。間違ってもp2でメリットを黄色いボックスで記載し始める、ということは辞めましょう。

 

ここで紹介したことは明日から即つかえるHow論ばかりですので、新人コンサルの方もコンサルでない方も学生の方もスライド作成の際に意識してもらい、将来受けるかもしれない上司からの小言を避けていただければと思います。それでは。