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コンサルが実践するリサーチのコツ

先日、「リサーチのコツを教えてください」という質問をされました。
戦略コンサルとして、人並み以上にリサーチ案件に携わってきたように思うので、今回はリサーチのコツをまとめました。とりあえずWayback machine知らない人はリサーチノウハウ不足しているので読み進めてやってください。マインドセット論はさわりだけで、How論が中心です。

アジェンダはこちら。
1. リサーチ設計を行え
2. まずは詳しい人に相談しろ
3. 効率的にググれ
4. 便利サイトを知っておけ
5. URL管理、元ネタ管理を徹底しろ
6. あえて最後に一番大事なこと。リサーチからどんな示唆を出したいのか、明確にしろ

なお、マインドセット論やリサーチ設計の仕方の詳細はこちらの本など読めばよろしいかと思います。

外資系コンサルのリサーチ技法: 事象を観察し本質を見抜くスキル

外資系コンサルのリサーチ技法: 事象を観察し本質を見抜くスキル

 

リサーチ設計を行え

リサーチにおいて最悪なのは、長時間をかけ「色々頑張ったけど、見つかりませんでした」というものです。せめて「色々頑張った」ではなく、どのような情報ソースにあたり、どう調べた結果なのかを言えるよう、最初にそこを設計する必要があります。

この業界レポートを見て、過去資料を見て、記事検索を行います、ここまで3時間でやるので3時間後にいったんレビューポイント置かせてください、というところまでは上司と握ってからリサーチを始めたいところです。

リサーチわかりました!と0.5秒後にググり始める人は6時間後に、「どうなった?」、「あんま見つかってなくて・・かなり調べたんですけど、、」、「は?」となりがちなので気をつけましょう。

まずは詳しい人に相談しろ

リサーチの初手はなんでしょうか。

私は、「詳しそうな人に情報乞食する」だと思っています。似たようなリサーチはみんなやっているものです。「AIをつかった先進事例」なんて絶対すでに誰か調べています。最大のショートカットになるので、まずは類似案件やっていた同僚に聞くべきです。メールを出してから返信までリードタイムもかかるので、リサーチの論点と出したい示唆を明確にした時点でそれを書いてメール送信です。

少し話がそれますが、どう考えてもこれはデスクトップリサーチでは出ないな、という感覚も大事です。例えば競合の新規事業の主要KPIなんてネットに載ってるわけないじゃないですか。

調査対象の企業に勤めている知り合いに聞く、エキスパートインタビューを仲介会社を通じてセットするなどの方法を取りましょう。

経験上、結局詳しい人に聞いた・もらった情報が刺さる率が一番高いです。刺さる情報なんて、「新しい」か「生々しさ」のどちらかが尖っているときですから、インタビューで生々しさを尖らせた方がいいときもあります。

効率的にググれ

メールを送信したらネットという情報の海へダイブです。ググるときのわざをいくつか紹介します。

画像検索をつかえ

市場規模は、たいていグラフで載っているものです。画像で検索しましょう。

XX業界のベンチャー企業の一覧がほしい。「XX業界 カオスマップ」で画像検索しましょう。
画像検索はかなり時短で筋のいい情報にたどり着けるので、積極的に使いましょう。

筋のいいキーワードを発見しろ

市場規模を調べるときは、「XX業界 市場規模 億円」と検索しましょう。億円つけるとヒット率が上がります。(画像検索もお忘れなく)

またサブスクリプション、ではなく、SaaSと調べたほうが情報が多く出てくることがあります。業界のキーワードにいち早くたどり着きましょう。

フィルタ検索機能をつかえ

フィルタ検索、みなさんつかっていますか。

” ”をつけることで、” ”のなかに入っているキーワードを必ず含む検索結果を出すことができます。コンサル ”激務” なら激務を必ず含む検索結果になります。

一方で、 コンサル -  激務 なら激務を含まない検索結果に絞って表示できます。

また時間軸を設定しての検索も有効です。

XXX .pdfではPDF資料をメインで検索できます。なんちゃら総研、政府系レポートなどはこのPDF縛りでかなり手に入りやすくなります。

こういった小技もつかいましょう。

便利サイトを知っておけ

ベンチャー情報は、CrunchBase
• 1年前のWebサイトを見たいならWayBack Machine
有識者の知見を得るならSlide Share
• 基礎情報はやっぱり日経新聞日経ビジネス
• Bynameで企業調べるなら、テレビ東京オンデマンド

Crunch Base

いわずと知れたベンチャーのデータベース。いつ調達したか、誰から調達したか、いくら調達したか、いまSeriesいくつ?。こういった情報はまずCrunch Baseで調べましょう。VRベンチャーを一覧化したい、というときもここです。

またここってどんなベンチャー?という定性情報を探すときは、TechCrunchに取り上げられているケース多めです。

WayBack Machine

更新される前のウェブサイトが見たい、1年前のウェブサイトが見たい。WayBack Machineなら可能です。いつ更新されたのかもトレース可能です。

例えば、「1500社のお客様にご利用いただいています!」と記載があるWebページなら、1年前に遡れば、「600社のお客様にご利用いただいています!」、と書いてあったりするわけで、これでユーザーの増加数が調べられます。このような時系列を遡って調べるのに便利なのがWayback Machineですのでお見知りおきを。

https://archive.org/web/

Slide Share

Slide Shareにはどこぞのイベントでの講演会資料などが多く載っています。PPTでダウンロードできることも多いのでおすすめです。SaaSビジネス、チャットボット、自動運転、というホットなワードであれば、かなり質の高い資料を無料で手に入れられることがあります。チャットボットのこれとかめちゃくちゃ面白かったです。リサーチは置いといて、趣味で見るのにもいいかもしれません。 

https://www.slideshare.net/storywriterjp/uxwebmaster-camp-aiui

日経新聞日経ビジネス

大手企業の社長へのインタビュー記事など日経ビジネスはハイクオリティな内容が多いです。日経新聞もとりあえずその企業名でざっと検索すれば、大まかな動向は調べられます。

先進的な取り組みをリサーチするときは、日経ビジネスやクロステックなどは情報の粒度が細かく参考になることが多いので、私は検索ワードに「日経」を入れてググることもよくあります。

業界特化の雑誌も出ているので、積極的にそのあたりも見ていきたいですね。

盲点 「カンブリア宮殿

カンブリア宮殿はみなさん見たことあるでしょうか。

テレビ東京で放送している、情熱大陸的な・プロフェッショナル的な番組です。毎回、注目の企業を1つ取り上げ、ひたすら深掘りします。社長のインタビューはもちろん、創業時の理念、今までに味わった挫折、成功のきっかけなど見ていて普通に番組として面白いんですが、冷静に考えてこんなにリッチな内容で企業を知れる情報ソースは他にありません。

ライザップ、バルミューダ、タカタの種(ブロッコリーが世界に広まったのは収穫しやすいブロッコリーの開発に成功したこの会社の功績)みたいなニッチな企業からJR東日本、ゼンリンといった大企業まで取り上げているので知見を広める意味でもぜひ。

そしてテレビ東京オンデマンドで500円課金すると過去放送分を含め、すべてのカンブリア宮殿が見られるのでダウンロードしましょう。そして2倍速にすれば20分あれば見終わるので通勤中に見ましょう。

URL管理を徹底しろ

「再現性のあるリサーチ」。この情報の出典ってなに?と聞かれたときにすぐに答えられないコンサルタントを誰が信用できるでしょうか。大量に開いたGoogleのタブ、ぐちゃぐちゃにコピペしたURL。大惨事です。(私はこれで炎上した経験があります)

すぐにでも誰かにリサーチ結果を引き継げるような属人化していないリサーチが絶対的に大切です。その上で侮れないのがURL管理です。

Excelなどでリサーチ結果をまとめているとき、どの情報がどのURLからとったものか管理しきれなくなることがあります。個人的にお勧めしたいのは、ビジネスチャットツールの活用です。(SlackとかCiscoとかKintoneとかTeamsとか・・)

Excel(PPT・Word)に情報をまとめたらそこに番号を振ります。
「コンサル業界の日本での市場規模は7,659億円だ(*1)」といった感じです。
そしてビジネスチャットでチャンネルを適当に開設して、
「(*1)https://enterprisezine.jp/article/detail/11888」と投稿します。

これでガンガン番号をつけて投稿すれば、Excelとビジネスチャットを照らし合わせることで確実に出典がトレースできます。リサーチ結果をまとめたExcelの見栄えもきれいに保てますし、チャットだと見出しが表示されるので視覚的に情報を探しやすいのがおすすめポイントです。個人的には大量の情報ソースを管理するときはこの方法を取ります。

少ないURL管理で済みそうなときはExcelでCtrlと1を押してから「縮小して全体を表示する」を選択し、そこにURLを投げ込みます。些細ですがExcelの見栄えを保つコツです。

ご参考までに。

最後に、マインドセット

結局は、「リサーチからどんな示唆を出したいのか、明確にしろ」が最重要です。

そのリサーチでどんなことが言いたいのか、全体のストーリーの中で自分のリサーチはどんなメッセージを出すために行うのか、そこを正確に理解することが最重要です。

リサーチのタスクが振ってきた時点で、リサーチによって言いたい仮説があるはずです。たとえば「市場規模調べて」というときは、「市場として十分な規模があり参入すべき」という仮説を証明したい、といったようにです。単に市場規模は15億円でした。とだけリサーチ結果を伝えると、「それ小さすぎだし、仮説のファクトにならんし」とゴタゴタします。

15億円ですが、成長率はCAGRで40%もあります、などといいたいメッセージに即した周辺ファクトを集めることをこころがけましょう。
とてもその仮説を証明できそうにない、というときは確固たる反証リサーチ結果をもって即相談です。

なぜなら、ストーリー全体を修正する必要があり、全メンバーの作業に影響するからです。XX市場に参入すべき、を前提にストーリーを作っているのに、真逆のファクトしかないならストーリーの練り直しです。自分以外のメンバーのタスクに影響を与える要素が出てきた時点で早めの相談をしましょう。ファクトなんですからあなたが怒られることはありません。

ざっとこんな感じでございます。みなさまのリサーチのお役に立てることを願っています。

コンサルのケース面接・インターンで斬新な意見を言うコツ

コンサルファームの就活において切っても切り離せないのが「ケース面接」です。ケース面接とは、例えば「スタバの売上を上げるための施策を考えよ」だとか「地方の過疎化を食い止めるためにはどうしたらよいか」など、出されたお題の解決策を考えさせ、その人の思考力、地頭の良さを図ろうとするスタイルの面接のことです。

戦略コンサルの内定獲得プロセスは、ファームによって多岐にわたるものの普通はインターンへの参加権をゲットし、インターン参加者の中から特に優秀だった人材を採用するというプロセスが多いです。①インターン内定、②インターンで優秀さをアピールする、の2つが大きな壁です。

この2つの壁で特に重要なのが「ケース面接」でのアピールになります。

まず、インターンの参加権をかけた選考でもケース面接が行われるファームは多く、さらにインターンでも3~5日をかけてケース問題を解くことがほとんどです。ケース問題を制する者はコンサルの就活を制するのです。

どう対策したらいいのか

ロジカルシンキングの本や就活対策本は巷にあふれているので、その中からおすすめのものを最後にまとめておきましたので、参考にしてください。

これらの本を読んで対策をするのは最低限必要なことですが、それだけで他の参加者と差別化を図るのは困難です。みんなやっているので。

そんななかで他の就活生と差をつけるためのコツをお話しします。

勝手にお題の範囲を狭めるな

「渋谷にあるカラオケ店の売上を伸ばす施策を考えよ」という問題を例にとりましょう。売上=単価×人数、顧客層を年齢別・性別ごとに分解して考える・・・は基本なので置いておきます。最低限出来るように上の本を読んで勉強しましょう。

ここで言いたいのは、「従来通り、カラオケで稼がないといけない」とお題の意味を勝手に狭めていないか、という点です。「カラオケ店」の売上をあげればいいので、カラオケ店が1フロアを改装して楽器の練習ができるフロアにしてもいいですし、歌のうまい人が歌を教える歌の塾事業をカラオケの一室で開始してもいいわけです。

企業の強みを再定義せよ

ケースを考えるとき、人と違う意見を言うためには、「その企業の保有するアセット、強みは何か」という点を広く考え直すことです。カラオケ店の強みを考えてみましょう。

・都会の一等地に大きなスペースを持っている
・大きな音を出しても良い環境である
・音楽が好きな人が多く集まる場所になっている
などなどが挙げられます。

ダンスや楽器の練習ができる場にしてもいいですし、歌のうまい人が下手な人に歌を教える「歌を教える教えられるのマッチングサービス」を始めてみてもいいですし、都会の一等地という地の利を活かしサラリーマン向けにマッサージやランチ提供を始めてもよさそうです。

スタバの例でいえば、強みとして「最高の接客をするスタッフが揃っている」というものがあるとしましょう。であれば、「スタバが教える接客のコツ」というセミナーなどをいろんな企業で実施するというものも考えられます。

携帯キャリアであれば、店舗数が多い、進学や就職といったライフイベント発生中のお客さんが多い、といった強みがあります。ライフイベント発生の際に申し込みニーズが増える保険やローンといったサービスを店舗で行うということも考えられますね。実際に保険の申し込みができる携帯の店舗は増えています。

ユーザーのニーズにもっとも刺さるサービスを提案せよ

企業が提供できるサービスを広く考え直したところで、ユーザーのお困りごとは何か、それを解決したときにどの程度の売上が上がるかといった点を考えます。

順番としては、
①ユーザーのニーズ・ペインポイントは何か
②そのニーズを解決した際にどのくらい儲かるのか
③ニーズを解決するために企業はどんなサービスができるか
の3つの論点を順に解くべきですが、①のユーザーのニーズを考える時点で「カラオケをする人のニーズ」と主語を狭くしてしまう人が多すぎるので、③の企業ができることを広く広く考えておくことがアイディアマンになるコツです。

③を広く考えつつ、①、②を解いていきましょう。

1つだけ気を付けてほしいのは、原因・ニーズを特定する前に思いついた解決策のアイディアを言わないことです。原因やユーザーのニーズが分かって初めて解決策につながるので、それらが分かる前に解決策を叫ぶとそれはあなたがロジカルでない人の証明になります。

うまく原因やニーズの特定を誘導し、あなたが思いついたイチオシの解決策が刺さる方向に誘導しましょう。

お勧めの本一覧

とりあえずこれだけはやっとけ

東大生が書いた地頭シリーズだけは面接の前にやっておきましょう。私はこれやっただけで総合ファームの内定は獲れました。

 

ガチなロジカルシンカーを目指すあなたにはこの3冊を

コンサルファームで必ずと言っていいほどおススメされるロジカルシンキング、問題解決本。とっつきにくい文章と長いこともあるので、時間があり焦りが少ない大学2年生、3年生なり立てくらいの人におすすめです。

ライト、ついてますか―問題発見の人間学

ライト、ついてますか―問題発見の人間学

 
考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

 
新版 問題解決プロフェッショナル―思考と技術

新版 問題解決プロフェッショナル―思考と技術

 

 

5G×VR×触覚通信のユースケースってエロい方向に、リモートセックスにしか行きつかないと思う件

みんながすまし顔をしてなかなか言わないので仕方ない。ここは自分が言おうと思う。
5Gで変わるのは性産業だ、と。
遠隔セックスの時代が来るんだ、と。
5G銘柄はDMMとTENGAだ、と。(上場してねええ!)

最近、ずいぶんと5G界隈も盛り上がりを見せている。2020年の実用化を目指して、国内通信キャリアは各社とも実証実験やら業務提携やら設備投資やらに余念がない。海外ではAT&TやVerizonなどで既に実用化も進んでいる。5G銘柄などと、投資銘柄としても大きな注目を集めるようになった。

5Gをどう使うか、という議論を具体的に進める段階に来ているわけだが、みんなが意図的に触れないようにしている分野がある。性産業での活用についてだ。

ところで5Gって何だっけ?

本題の性産業を語る前に、5Gの基本情報を軽く説明したい。知ってるわ、という人はマウスの真ん中をくるくるっとまわして飛ばしてほしい。

5Gは5 Generationの略であり、名前の通り第5世代の通信のことを言う。その特徴は三つに分類できる。大容量(eMBB)、低遅延(URLLC)、大量接続(mMTC)だ。

①大容量(eMBB)

より重いデータをスムーズに送れるようになること。水道管でいえば、水道管の直径が大きくなるイメージで正しい。たくさんの水が一度に流れるようになる。
下りピーク通信速度20Gbps、上り10Gbpsを目標値に設定しているほどである。どのくらいの大容量かというと、私の今のポンコツ無線Wifiはさっき測ったらアンテナ1本、上り3Mbpsである。3000倍違う。

3Gではガラケーで画像が送れるようになり、4Gではスマホで動画が見れるようになった。5Gではなにができるかと言えば、4K/8Kの高精細映像、VR/ARといった重いコンテンツが送れるようになる。

②低遅延(URLLC)

より早くデータを送れるようになること。水道管でいえば、水圧が高くなって水道管を流れる水のスピードが上がるようなイメージだ。
0.5ms以内の遅延を目標にしている。例えば、VR/ARでは7msの遅延があると乗り物酔いを起こしやすくなるらしい。

低遅延では、自動運転のようにリアルタイムでの通信が重要なユースケースの実現に期待がかかっている。

③大量接続(mMTC)

同時により多くの機器と通信ができるようになること。水道管でいえば、よりたくさんの蛇口に水を送れるようになるよ、という話。
はっきり言えばIoTを実現できますよ、ということ。

水道管に上水と下水があるように通信も送る側(アップロード)と受け取る側(ダウンロード)があるが、細かい話はそこまで本題に響かないので置いておく。

5Gで触覚通信の要件が揃った

VRや超高精細動画の他に期待されているコンテンツがもう一つある。触覚だ。触覚通信だ。抽象的な説明よりまず実例を見てみよう。

人型ロボット「Pepper」が装着した力触覚伝送用グローブと、遠隔地にいる人間が装着した遠隔操作用グローブの間で、力触覚の情報を伝送・再現する実験を、5Gと4Gの無線通信環境下で行いました。


つまり、あるデバイスで受けた刺激をデータとして送り、遠隔地にある別のデバイスでその刺激を再現する技術のことを触覚通信という。

遅延なく触覚を伝えるには、4Gではダメで低遅延の特徴を持つ5Gが必要なのである。映像と触覚をリンクさせて送るには、遅延があると映像と触覚がずれるということになる。上記のPepperをつかったソフトバンクの実証実験でも4Gではうまくいかず、5Gでは成功したと載っていた。

実験の結果、4Gでは遅延による影響で双方のグローブの動きにずれが発生し、正確に力触覚を再現できませんでしたが、5Gではその特長である1ms(1,000分の1秒)以下の超低遅延性により、遅延による影響を受けることなく、高精度な力触覚の伝送・再現に成功しました。

力触覚情報の伝送における5Gの有用性を確認 | プレスリリース | ニュース | 企業情報 | ソフトバンク

 

触覚通信の使い方(ユースケース

もう察しの良い何人かは触覚通信の可能性を感じ取ったのではないだろか。ていうかそれしか思いつかない。企業のお偉いさんの頭にも必ずよぎるはずだが、彼らは賢者の顔をしてこう言うのである。

「大容量、低遅延の5Gによって実現される触覚通信。これを遠隔医療に活用しよう。」

違う。

「触覚通信で遠くにいるロボットにギターを弾かせてみたよ」

バカなんじゃないか。
 

いや、遠隔医療もギターも使い道としてはあるだろう。
でももっとゲスの極みの発想が真っ先に出てくる。
 

遠隔医療とか遠隔ロボット操作とか言ってる奴ら。俺が代わりに言おう。

「5Gで遠隔セックスの時代が来るってんだよ!!」

VR空間で触覚通信するアダルトデバイスを使った遠隔セックスが実現すると言っている。

これはめちゃくちゃ真面目な話である。

定量的なデータは持ち合わせていないが、圧倒的な没入感を体験できるVRのコンテンツは今のところAVが最も種類が多く、かつ成功しているのではないだろうか。火災現場の訓練にVRを使いたい!というニーズとエロい動画をVRで見たい!というニーズの大きさの違いは計算するまでもないように思う。

触覚通信、VR連携機能を持ったIoTオナホが世界を変える

VRゴーグルとアダルトなコンテンツを買うときにAmazonが「これらを買っている方はこちらの商品も買っています」とレコメンドをしてくるモノがある。何だろうか。オナホである。

今のVR動画は、触覚通信して映像とリンクさせた触覚を何かのデバイスに伝えることはない。しかし、PepperがPoCで証明しているように5G時代ではそれは可能なのである。しかもリアルタイムで映像と触覚を伝えることができる。

自分の自宅にいるAさんがVRカメラを回しながらとあるデバイスを触る。遠く離れた場所でVRゴーグルをかけたBさんはVR空間において、Aさんが目の前にいるように見えつつ、Aさんが触る触覚もとあるデバイスを通じて伝わってくる。大量接続可能な5Gだから、何万人だって何千万人だってBさんと同じ体験をリアルタイムにできるようになる。

VRの映像とリンクし、触覚通信機能を搭載したオナホ。これが登場したとき、性産業にとんでもないブレークスルーが起きると思っているのは私だけだろうか。

どのくらいの感覚が再現できるかにも依存するが、キスの感覚を再現しようとするKissengerとかいうデバイスが開発されている世の中である。セックスの感覚の再現と遠隔伝達に全力を傾ける男/女/その他は間違いなく登場する。

人気の女優と極限までリアルな体験がリアルタイムでできる(別に録画でもいいけど)。配信する側もデバイスを触ったりしてればいいわけで、直接生身の人間を相手にする必要がなくなるから今よりハードルが下がるかもしれない。

もう一つ大事なことがある。VR空間はリアルな人間だけの生息域ではない。2次元のキャラクターとの接触も可能だ。"俺の嫁”と本当に触れ合えるようになる。

このくらいの未来は簡単に思い描ける。

一方で、触覚通信による性サービスを定義し、規制する法律は検討は進んでいるのか。間違いなく進んでいない。性に真正面から取り組まないムッツリスケベな国民性だなあと思う。

相手がいる場合はダメで創作されたキャラクターの場合はいいのか。
遠隔セックスは不貞行為にあたるのか。
配信した側と受けた側、どっちの何を規制して何を罰するのか。
性規制が緩い国から発信されたものはどうなのか。
てか少子化進みまくるんじゃないの。

人間の3大欲求は、食欲、睡眠欲、性欲であり、VR空間のような現実世界でない空間で存分に満たせるのはそのうち性欲である。あとの2つは現実空間でなければ満たせない。

5G×VR×触覚通信で実現し、社会的に最大のインパクトを与えるユースケースは遠隔セックスである。私はそう思っているが、みなさんはどうだろうか。

とりあえずVRだけならもう体験できるので、何のコンテンツを見るかは置いといて、一度試して、VRと触覚通信の未来の断片を感じてほしい。3000円だし。

 

縮小する豆腐市場でシェアを激増させた相模屋食料は設備投資のお手本だ

相模屋食料という企業をご存じでしょうか。10年間で売り上げを5倍伸ばしたトンデモナイ企業です。しかもイケイケのIT企業ではありません。豆腐屋です。

この相模屋食料は売上40億円の2005年に売上と同じ40億円規模の投資を行い新工場を建設するという無謀とも思える決断をしています。しかし、それを機に超成長企業への歩みを進めていったのです。

この相模屋食料は、業界課題を技術をもって解決する、そのお手本となると感じましたので紹介させて頂きます。

大企業の存在しない豆腐市場

豆腐は特殊な性質を持っています。それは、「賞味期限が短い」、「すぐ崩れるのでパック詰めは手作業で実施」という性質です。

まず賞味期限が短いため、豆腐は在庫として抱えることができません。少しでも長く持つ豆腐がつくれればいいのですが。。

そして在庫を持てないため、「明日は暑いから冷ややっこ用の豆腐が多く売れそうだ」といった需要の波がそのまま発注量の波となります。生産ラインを全自動化して短時間に大量の豆腐を生産できれば需要の波にうまく応えることができるのですが、豆腐はなんといっても崩れやすい。機械によるパック詰めは不可能であり、手作業に時間がかかっていました。

賞味期限が短く、納期に対して製造に時間がかかるため、近所のスーパーに豆腐を届けるのが精一杯。市場は地域ごとに細分化されていました。

実際、2005年当時、豆腐市場は6千億円の市場に1万3千もの事業所がひしめき、しかも売上100億円を超える企業は存在しない、極度に細分化された市場構造となっていました。

2005年一世一代の大投資へ

当時の相模屋食料は売上30億円程度の中堅メーカーに過ぎませんでした。そんなある日、6000坪の土地を買わないか、という話が持ち上がりました。前々から計画していた投資規模は10億円だったのに対して、6000坪を超える新工場にかかる費用は40億円。

こんな博打に乗らない方がいい、という声もある中、婿養子として雪印から転職してきた鳥越氏は当時社長の義父とともにここが勝負どころだ!と打って出ます。

なぜ勝負どころだと考えたのか

鳥越氏は40億円をかける新工場を、ただ安く大量に豆腐を生産する工場にするつもりはありませんでした。「賞味期限が短い」、「製造に時間がかかる」という業界課題そのものを解決する工場を作り上げようと考えたのです。

そもそも豆腐はなぜ賞味期限が短いのでしょうか。雑菌は35~40℃で最も繁殖します。豆腐をパックに詰める作業は人が行っていましたが、そのままでは豆腐が熱すぎて詰められないため、水にくぐらせながらパックに詰めていました。そのときに雑菌が繁殖しやすい40℃程度になってしまうのです。もし熱々のまま豆腐を詰められれば雑菌は繁殖せず、賞味期限は伸びるはずです。

製造に時間がかかるのもこのパック詰めの工程が原因でした。豆を水につける⇒煮る⇒にがりを混ぜて寄せる⇒整形して切る⇒パック詰め、これらの工程の中でパック詰めだけが自動化できていなかったのです。何しろ、豆腐はやわらかく、機械で持ち上げてパックに詰めるなんて不可能だったからです。

鳥越氏はここに目を付けました。パック詰めさえ自動化できればいっきにこの2つの課題を解決できる、と。

パック詰めも自動化したフルオートメーション工場の誕生

悩みぬいた鳥越氏はある解決策をひらめきました。

豆腐を持ち上げてパックに入れるのではない。パックを持ち上げて豆腐にかぶせればいいじゃないか。

大志を胸に工場の建設にとりかかるも、そこは苦難の連続だったと言います。試運転したら、他工場と品質の違う豆腐ができた。連続稼働させたら途中から味が変わった。温度や湿度によって出来上がりが異なった。しかも、こんなフルオートメーションの豆腐工場は誰も経験したことがないので、機械の適切な微調整の仕方は誰にもわからず、四苦八苦。

1000項目に及んだという改善活動を続けて完成したのが、豆腐生産のフルオートメーションを実現した第三工場でした。

そして圧倒的な参入障壁が、この1000項目の改善活動によって築き上げられました。似た発想で機械を導入しても、どう微調整すれば一定品質の豆腐ができるのか、その制御ノウハウは一朝一夕で真似できるものではなかったのです。

完成した工場とともに大躍進

この工場が2005年に完成してから、10年で売上5倍。業界初の売上100億円企業どころか近年では200億円も突破しました。

これほどまでに成功を収めたのは、新工場の目的が「コスト削減」ではなく、「新しい価値の創出」にあったからです。

賞味期限の短い豆腐。完全機械化で、人の手では触れない熱々の状態のままパック詰めまで実施。その結果、雑菌の繁殖を抑えることができ、賞味期限が伸びました。

さらに冷却しないことで新鮮さが保たれ、味も良くなったと言います。

製造に時間がかかる豆腐。機械化できていなかったのはパック詰め工程でした。機械化によって生産時間の短縮にも成功しました。

味はよくなり、賞味期限は伸び、短時間で出荷できる。

安く大量に作ることだけを考えた工場とは一線を画しています。この業界課題に真摯に取り組み、無謀ともいえる設備投資を断行し、どの企業も生み出せなかった新しい価値を創出した。

これこそが相模屋食料の成功の要諦です。

なお、相模屋食料の熱い物語はこちらの本に詳細が載っています。ここ1年で読んだ本で最も価値ある一冊と言っても過言ではありません。ぜひ読んでみてください。

「ザクとうふ」の哲学

「ザクとうふ」の哲学

  • 作者: 鳥越淳司,夏目幸明(構成)
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2014/09/12
  • メディア: 単行本
 

コンサル業界が激務ってほんとなの?働き方改革って進んでる?実際どのくらい働いているかをお伝えしよう

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コンサルティングファーム。それは激務の代名詞。

激務で深夜まで仕事をしている。終電?何それ毎日タクシー。

それってどこまでほんとなの?盛ってるんじゃないの?と疑問に思っている人も多いかと思います。

これは、コンサルティング業界を志望している就活生、そしてコンサルティングファームで働く予定の内定者や転職者向けに、コンサルの激務度と働き方改革の現状をお伝えする、そんな記事です。

ちなみに私が激務・・というよりパワハラで潰れかけたお話はこちら。
(ヘビーな内容だから覚悟して読めよ!)

techhack.hatenablog.jp

どのくらい激務なのか?

激務激務と言われるコンサルですが、最近では働き方改革の波がコンサル業界にも押し寄せています。昔と変わらず仕事が終わらないと思ったら、終わるまで永遠に働くというマインドセットをほぼ全員が持っているため、プロジェクトの忙しさによっては永遠に働くことがあるものの、深夜まで仕事をする確率は下がり続けていると感じています。

肌感覚では、若手コンサルの激務割合は

  • 深夜残業・土日出勤当たり前人:15%
  • 0時くらいまでは仕事している人:20%
  • MTG前(週1~2回)は深夜まで、それ以外は21時くらいに帰る人:50%
  • 21時前に大体いつも帰る人:15%

って感じだと思います。私の場合、始発が動く時間まで仕事をしているのは年に10日もありません。

激務度はプロジェクトに依存する側面が強いですが、違うプロジェクトになっても同じ上司だと同じ働き方をするケースが非常に多いです。炎上上司として有名な人がどこのファームにも必ず数名いると思います。いかに彼らから逃げるかが、コンサルファームでの最重要生存戦略です。ここ、テストに出るのでみんな覚えておくように。

マネージャー以上は超激務

あれ、意外と激務じゃねえな!と思ったソルジャーなあなたに言っておかなければならないのは、中間管理職(マネージャー以上、だいたい6年目以降)は

「深夜残業・土日出勤当たり前:100% 以上」です。まじで。

マネージャー以上はいつ寝てるのかわかりません。そういう姿を見ているから、マネージャーになる前にかなり多くの人が会社を去ります。ちょうど30歳手前で、結婚・育児も関係してくる年齢ですし。

最も上のポジションの人たち(ディレクターやパートナーと呼ばれる役職)は、雲の上過ぎてイマイチいつまで仕事をしているのかわかりません。笑

見ている限り、シニアマネージャーとマネージャーが一番働いていると思います。結論としては、コンサルは中間管理職が地獄の激務。さらに中間管理職の激務度は近年の働き方改革で増加傾向です。以下で解説します。

働き方改革はどのくらい進んでいるの?

働き方改革と無関係のファームは存在しないといって間違いないです。この時代、ブラックと言われることは企業イメージにとって致命的ですから。

働き方改革で変わりつつあることは大きく2つです。

1. 遅くまで部下を働かせている上司の評価を下げる

マネージャーを評価する際、パフォーマンスだけで評価するのではなく、どれだけ効率的に働けているのか、が大きな評価基準になりました。クライアントから大いに評価されても、毎日3時まで部下を働かせているマネージャーはより問題視されるようになりました。

2. 若手には「遅くまで働くな!」というお達しが出るようになった

その結果、若手のコンサルタント(アナリスト、アソシエイト、コンサルタントなどと呼ばれる)には、遅くまで働くな!というお達しが出るようになりました。遅くまで部下が働いていたらマネージャーの評価が下がるわけですから、マネージャーが「働くな!」と繰り返すようになるわけです。

19時以降の会議は禁止、20時には帰ること、深夜の作業は禁止、などプロジェクトによってルールを決めることも増えてきているようです。

これは若手にとっては悪いことではありません。働くな、と言われて嫌がる人はあまり多くないでしょう。残業代もみなし残業で実質固定されているので給料も下がりません。

弊害としてマネージャーの激務度が増し増し

でもちょっと待ってください。仕事量は特に変わっていないのに、若手コンサルタントを早く帰らせたらどうなるのか。当然どこかにしわ寄せが行きます。しわが寄るのはマネージャーです。

「もう21時だから、あとの資料の修正はこっちでやっておくよ。お疲れ様。」

と若手を帰らせたあと、マネージャーは資料の修正を一人行うことになります。

古き悪しきコンサルファームでは、21時でも

「こんな資料、明日の会議で見せられるか!すぐ作り直せこの馬鹿!」

と資料を投げつけていたわけですが、このハラスメント時代にこんな暴挙をして部下からクレームが上がったら上司は即死です。

結果として、上司が若手の仕事を巻き取るケースは増加しつつあるように思います。

苦悩するマネージャーたち

マネージャーは自分の仕事を減らすために、いかに部下の仕事を手戻りなく進めさせるか、に焦点を移すようになります。ある程度仕事を任せて部下にやらせるのではなく、細かくToDoを分解して作業単位で部下に振り、アウトプットを確認する。こういったマイクロマネジメントが増えつつあります。

マイクロマネジメントでは、確かに手戻りは減らせるかもしれませんが、部下の成長につながりません。細分化された作業をこなすだけになってしまうので。

マッキンゼーで活躍された赤羽雄二氏の「世界基準の上司」には、部下をうまくつかう最適なマネジメントはマイクロマネジメントではないと書かれていました。

代わりに赤羽氏が提唱しているのが、最初に資料(アウトプット)の全体像を示し、各ページのメッセージレベルで意識を部下と合わせる。その上で、中身の作業を部下に振るというアウトプットイメージ作成アプローチです。

決してマイクロマネジメントではない。上司が何を求めているかできるだけ明確なビジョンを示し、部下がそれに沿って検討を進めていくアプローチであって、箸の上げ下ろしまで指示するわけでは全くない。

赤羽雄二著「世界基準の上司」より

激務なファームを改善し、マネージャーを含め持続可能な働き方ができるかは、まさにいまが勝負どころです。今は働き方改革のKPIとして「働くな!」を導入したものの、働き方自体は変わっていないため、しわ寄せがマネージャーの過労かマイクロマネジメントという形で顕在化している状態です。

部下のマネジメントに自信のある方、上を変えてやるという気概を持った若手の方、いますぐコンサルファームに来てください。

最後に脱線ですが「世界基準の上司」は、部下となる人こそ読むべき本だと感じました。上を変えるには下から、そして数年後に上に立つときにやばい上司にならないために。

また、若手コンサルタントのよくある失敗や資料作成の仕事イメージが湧くかと思うので、コンサルって何をやっているの?という人にもおすすめの一冊です。

それでは。

世界基準の上司

世界基準の上司

  • 作者: 赤羽雄二
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/中経出版
  • 発売日: 2015/02/28
  • メディア: 単行本
 

【2018年】コンサルがすすめるテクノロジーに強くなりたい人が読むべき4冊の本

AI、IoT、デジタル・・。テクノロジーの重要性がこれでもかと強調される時代になってきました。多くのビジネスマンにとって、テクノロジーの概要を理解し、それがどうビジネスに活用できるのか、どうビジネスモデルを変えるのかという点を知りたいといういニーズは高まっているのではないでしょうか。

曲がりなりにもコンサルタントとして、テクノロジーを活用した新規事業創出などを手掛けてきた中で、「この本まじでつかえるわ!助かったあ!」という本に何冊か出会いました。そんな本のベスト4を一挙大公開です。

未来のテクノロジーのロードマップを知りたいならコレ

2100年の科学ライフ

2100年の科学ライフ

2100年の科学ライフ

    【おすすめ度 ★★★★☆】
  • 作者: ミチオ・カク,斉藤隆央
  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2012/09/25
  • メディア: 単行本

ニューヨーク市立大学理論物理学教授のミチオ・カク氏の著書。超ひも理論創始者の一人です。といっても難しい物理学の話が中心ではなく、2100年までに実用化されるであろうテクノロジーを学術的な視点と確度にもとづいて解説している本です。特に近未来、世紀の半ば、遠い未来と3つのフェーズに分けてテクノロジーのロードマップを示してくれているのも参考になります。

未来の技術を語る本は、自称未来学者による眉唾なSF本が多い印象なんですが、そういった本とは完全に一線を画しているのがこの本の素晴らしいところです。2012年発売とやや古い本ですが、5年先でなく100年先を見通しているものなので当分はつかえます。

個人的にはこの本を読んで得られた最大の示唆は、ムーアの法則によってハードウェアは安く効率的になっているが、ソフトウェアの開発はエンジニアがしこしことコードを書いて作っている。労働集約的なソフトウェア開発がAIによって代替されたとき、大きな変化が訪れる、という点でした。

解説されているテクノロジー

・コンピューター(ムーアの法則の未来、脳のスキャンなど)
人工知能
・医療(遺伝子操作など)
ナノテクノロジー
・エネルギー(水素エネルギー、核融合など)
宇宙旅行

といったところです。

テクノロジーのロードマップをつくれ!などと無茶振りされたときには、この本を見れば必ずよい情報を得られるでしょう。

テクノロジーを網羅した辞書ならコレ

世界をつなぐ100の技術 2019年版

日経テクノロジー展望2019 世界をつなぐ100の技術

日経テクノロジー展望2019 世界をつなぐ100の技術

    【おすすめ度 ★★★★☆】
  • 作者:日経BP
  • 出版社/メーカー: 日経BP
  • 発売日: 2018/10/25
  • メディア: 単行本

毎年発売されている日経BP社にテクノロジー展望シリーズ。

ありきたりな情報しかないかな、と見下しているとそんなことはありません。これだけ網羅的に情報を集められている本は他にはないと思います。

これは、1ページ1ページ最初から最後まで読んでいくというよりも、知りたいテクノロジーを見出しから探してそこを読むという辞書的なつかいかたをするのに非常に向いています。

解説されているテクノロジー

・医療技術
ビッグデータ
・自動運転車
フィンテック
・バイオテクノロジー
・エネルギー
VR/AR
・IoT
・建設テック
・ドローン

といったところです。

もし上司から、「なんかXX業界の新しい技術にどんなものがあるか、ざっくり網羅的に知りたいんだよね」と言われたら迷わずこれを手に取りましょう。

ぜひ目次だけでも参照してみてください。

IoT×製造業を知りたいならコレ

インダストリーX.0

インダストリーX.0 製造業の「デジタル価値」実現戦略

インダストリーX.0 製造業の「デジタル価値」実現戦略

    【おすすめ度 ★★★★☆】
  • 作者: エリック・シェイファー,花岡直毅(監訳),井上大剛
  • 出版社/メーカー: 日経BP
  • 発売日: 2017/08/31

 ドイツを中心に提唱され、話題を呼んだインダストリー4.0。IIoT(Industry IoT)等とも呼ばれていますね。IoTが製造業をどのように変革させるのかをアクセンチュアのマネジングディレクターである著者が詳細に解説しています。

この本を素晴らしい点は大きく2つ。

1つは、テクノロジー単体の解説ではなく、テクノロジーによってビジネスモデルがどう変わるのか、といった点まで踏み込んで説明している点です。例えば、IoTによって成果報酬型のビジネスモデルが可能になる、といったことが書かれています。

テクノロジー×ビジネスの勘所を掴むにあたっては非常に参考になる情報が多いです。

2つ目は、事例が多く載っている点です。例えば、成果報酬型のビジネスモデルの事例として、スペインのコメディー劇場が紹介されています。表情をモニタリングし、笑顔を検知し、客が笑った回数に応じて支払い料金が決まる、といったオモシロ事例です。

タイヤメーカーのミシュランの従量課金モデルなど、王道の事例も紹介されており、製造業×IoTの領域での様々な企業の取り組みを知ることができます。

これを読んでおけば、「インダストリー4.0」、「IIoT」、「デジタルツイン」といった話題になったとき、ああ、それでいうとあの企業がこんな取り組みを・・と知見の深さをアピールできるようになることでしょう。

宇宙のテクノロジー・ビジネスの決定版はコレ

宇宙ビジネス入門

宇宙ビジネス入門 NewSpace革命の全貌

宇宙ビジネス入門 NewSpace革命の全貌

    【おすすめ度 ★★★★★】
  • 作者: 石田真康
  • 出版社/メーカー: 日経BP
  • 発売日: 2017/08/31
  • メディア: 単行本

最後は宇宙の本です。A.T.カーニープリンシパルである石田氏による1冊です。

正直いって宇宙ビジネスはこの一冊を読めばオールオッケーです。決定版です。私の上司がそう言っていましたし、東大で航空宇宙を専攻している院生の友達もそう言っていました。

中身もコンサルタントらしい構造となっており、同じコンサルタントとして参考になるところばかりです。素晴らしい。

どんな構造かというと、宇宙ビジネスの全体像⇒市場セグメントと主要プレイヤー⇒先進各国の取り組み状況、という流れです。特に最初に全体像を書いてくれているあたり、わかっていますね。全体像のポンチ絵まであります。感涙。

また主要プレイヤーの先進的な取組が紹介されているのも参考になります。低軌道衛星による衛星通信を展開するOne Web。衛星画像を解析するサービスを提供するOrbital Insight。メジャーどころのベンチャーもしっかり押さえられており、まさに宇宙ビジネスの決定版と言える仕上がりです。

宇宙ビジネス、宇宙テクノロジーを知りたいあなたは迷わず買うべき、いや買わなければならないMustの一冊です。

 

以上、個人的なベストテクノロジー本4冊でした。AIの仕組みとかが知りたいんだ!という人はごりごりの機械学習パターン認識の本を読むべきでしょうが、おそらく多くのビジネスマンにとっては、テクノロジーの概要を理解し、それがどうビジネスに活用できるのか、どうビジネスモデルを変えるのかという点を知りたいだろうと思い、この4冊をチョイスさせて頂きました。

みなさまの参考になれば幸いです。

【GAFA解説~Apple編】Appleは最も成功した高級ブランドである

GAFA、という単語が2018年の流行語大賞にランクインしました。ガーファと読みます。GAFAとは、GoogleAppleFacebookAmazonというデジタル時代を代表する4つの超巨大企業の頭文字をとったものです。

今更ながら、GAFAってなんでそんなに騒がれているのか、何がそんなにすごいのか、という点をスコット・ギャロウェイ著「the four GAFA 四騎士が創り変えた世界」という本を参考にしつつ、私なりに紐解いていこうと思います。

シリーズ第一弾は、Apple。というわけで早速スタート!

the four GAFA 四騎士が創り変えた世界

the four GAFA 四騎士が創り変えた世界

GAFAで唯一のモノづくり企業 Apple

AppleGAFAの中で異端の存在です。というのも、Appleだけがモノづくりを主軸とした企業なのです。他の企業は主にサービスを提供している企業です。

このデジタルでイノベーティブでデータこそが金脈と言われる21世紀においてモノづくりなんてナンセンス。ところがAppleだけは風向きが違います。

2018年9月では、Appleの売上は2655億9500万ドル(30兆円くらい)、利益は708億9800万ドル(8兆円くらい)で利益率は27%です。時価総額は1兆ドルに届こうかという勢いです。対して、例えばトヨタの利益率は8%です。モノを作っている企業としてAppleがいかに異常な利益を上げているかがわかります。

これだけの利益を上げるAppleの戦略とはどういうものなのでしょうか。

「高い価格で多く売る」が基本戦略

Appleの戦略を一言で説明すると「高い価格で多く売る」という点に尽きます。いかに利益率が高いかは説明した通りですが、特に2015年の第一四半期の決算はそれを象徴しています。その期間に全世界で出荷されたiPhoneは18%のシェアを獲得するにとどまりましたが、業界の利益の92%を占めました。

販売価格を見ても、Appleの高価格は揺らぎません。iPhoneは1台749ドル、格安メーカーのスマホなら159ドル、ブラックベリーなら549ドルです。

そう、Appleは単なるハード機器メーカーではないのです。徹底的に高く売ることにこだわってブランドを構築してきた高級ブランドなのです。その意味でいえば、トヨタよりもルイヴィトンの方がAppleに近いかもしれません。

なぜAppleは高く、そして多く売れるのだろうか

「the four GAFA 四騎士が創り変えた世界」の中で、スコット・ギャロウェイは高級ブランドが持つ共通の性質を5つ挙げています。以下の5つです。

  1. アイコン的な創業者
  2. 職人気質
  3. メーカー直営店
  4. 世界展開
  5. 高価格

この中で、特にAppleを象徴している性質は、アイコン的な創業者、メーカ直営店、世界展開の3つだと私は感じました。

1. アイコン的な創業者 - スティーブ・ジョブズ-

Appleを語る上で外せないのが、みんな大好きスティーブ・ジョブズの存在です。21世紀最高のカリスマです。離婚した娘の養育費の支払いを拒否しようが、苛烈な社内政治を敷いていようが今更そんなのは関係ありません。

ジョブズのストーリーを至高のものにしているのは、一度Appleを追い出され、その後カムバックを果たし、大成功を収めたという点です。創設⇒裏切り⇒復活というこのストーリー。裏切り&復活のストーリーを世界がどれだけ愛しているのかは、キリスト教を見ればわかります。

あまりに圧倒的なジョブズのカリスマイメージ。これらはそのままApple製品のイメージになりました。Apple製品をつかうことで、ジョブズ的な雰囲気、つまり「イノベーティブ」で「他者とは異なった存在」という雰囲気を纏える、そんなイメージが世の中に定着しました。

徹底的にシンプルさを追求したデザインもジョブズ的な雰囲気の増幅に貢献しています(本では「職人気質」の節で詳しく書かれているので気になった人は本を!)。Appleの価値は性能ではないのです。Apple製品を使っていると「イノベーティブ」で「他者と異なった存在」になったような気分になれる、それが価値なのです。

このブランドイメージは、競合他社との価格競争を回避し、そこそこの性能の製品を高価格で販売することを可能にしました。

3. メーカー直営店(高級感あふれる実店舗)

Appleを高級ブランド足らしめているのは、「ジョブズ的雰囲気」、「シンプルなデザイン」以外にもう一つあります。高級感あふれる実店舗での販売です。

21世紀に実店舗なんて時代遅れ。時代はECでしょ。

それはあなたがトイレットペーパーを買う時の話です。大量生産品を買う時には、楽で便利なEC、それこそAmazonで購入する人が多いと思います。では、ヴィトンの財布を買うときは?エルメスのバッグを買うときは?

私は社会人になってBVLGARIの財布を買うとき、銀座のBVLGARIの実店舗に行って買いました。間違ってもドン・キホーテの最上階で買おうとは思わないし、ECサイトで買おうとも思いません。実店舗の高級感あふれる空気感とハイクラスな雰囲気の店員さんと話しながら買った方が、自分がSomething Specialになれた気がするからです。

Appleは高級ブランドよろしく洗練されたデザインの店舗を出店しました。それもヴィトン、エルメスカルティエが立ち並ぶ一等地に展開したのです。他の高級ブランドで買い物をするとき同様、Appleで買い物をする姿は1つのステータスです。店舗をガラス張りの透明にして、道行く人にその姿を見せつけたくなるほどに。

実際Appleの戦術は成功しました。Appleの店舗の1平方メートル当たりの売り上げは、約5000ドルで小売業では最高とのことです。第二位はコンビニだそうですが、50%の違いがそこにはあります。

実店舗での高級感あふれる購入体験。これをもって、Appleは高級ブランドになったのです。

4. 富裕層をターゲットにした世界展開

しかし、高価格の商品を少量売っていたのでは、30兆円も売り上げは出ません。世界中でなるべく多く売る必要があります。というわけで世界展開です。

「the four GAFA 四騎士が創り変えた世界」のなかにこんな一節がありました。

"富裕層というのは、地上に存在する他のどんな集団より均質である。"

これ、私の感覚的に非常に腹落ちする言葉でした。どんな国においても、富裕層の嗜好って似たようなものだと私も感じています。ヴィトンやロレックスといった高級ブランドが世界中で展開されているのは、同じ好みの消費者がどの国にも存在するからです。

Appleは自らを1つの価値あるブランドとして世界に認めさせることに成功し、そのために世界中に存在する富裕層をターゲットとすることができ、世界展開が容易になりました。こんなに地域ごとのカスタマイズや商品開発なしで売れる商品も少ないのではないでしょうか。

これによってAppleは世界展開に成功し、高価格にも関わらず「多く売ること」に成功したのです。

まとめ Appleは最も成功した高級ブランドである

Appleが凄いのはテクノロジーではありません。Appleより性能の良いパソコンなんて他にいくらでもあるでしょう。

しかし、スタバで広げたいのはAppleです。イノベーティブな自分を演出するには、Appleの最新機種がふさわしいのです。今までは、着ている洋服、乗っている車、行きつけのレストランがステータスでした。Appleは、そこに持っているパソコン、スマホという新しいステータスの判断基準を創り出しました。

それこそがAppleが成し遂げた最大の功績なのです。

「the four GAFA 四騎士が創り変えた世界」では、Appleが構築した参入障壁についても詳しく解説がされています。よりAppleの詳細を知りたい人は、以下の本を参照してみるのもよいでしょう。

the four GAFA 四騎士が創り変えた世界

the four GAFA 四騎士が創り変えた世界

 
スティーブ・ジョブズ I

スティーブ・ジョブズ I