現役戦略コンサルタントが語るブログ

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現役戦略コンサルが解説!戦略コンサルと総合コンサルの違いとは?

戦略コンサルファーム、そして総合コンサルタファーム、はたまたITコンサルに人材コンサル。世の中にはいつのまにかコンサルタントと呼ばれる人たちが大量発生しております。

かくいう私もその中の一人。。戦略コンサルタントという肩書を背負って外資系のコンサルティングファームで仕事をしています。

就活生のとき、戦略コンサルと総合コンサルの違いが特によくわからなかったのを覚えています。コンサルティングファームで働きたい、という人の中にもそこの違いがよくわからない、という人が多いのではないかと思いますので、今回はその辺を記事にしました。

コンサルって激務なの?はこちら。

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パワハラ怖いよ・・はこちら。 

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戦略コンサルタントってどこの誰のことを指しているの?

戦略コンサルタントは、弁護士や会計士のように資格を取得しないと名乗れない職種ではありません。XXコンサルタントが大量発生するのはこのせいですね。

戦略コンサルタントってどこの誰のことやねん!ということで、まずこの記事における戦略コンサルタントを定義しておきましょう。

戦略コンサルタント・・
それは「戦略コンサルティングファーム」に勤務している人

それじゃ説明になっとらんやないかい!じゃあ戦略コンサルティングファームってなんやねん!

はい、代表的な戦略コンサルティングファームは以下の7社です。業務内容ではなく、by nameの会社名で定義してしまいましょう。

まずはピュアストラテジーファーム5社。つまり戦略コンサルティングだけして飯を食っています、という企業が以下になります。

その他、戦略コンサルティング部門を独立した1部門として持っている企業としては以下の2社が代表的です。

戦略コンサルティングファームはBIG 3と言われますが、マッキンゼー、BCG、ベインの3社がビッグネームで、ブランド的にも頭一つ抜けています(特にマッキンゼーとBCG)。

アクセンチュアPwCには総合コンサルやITコンサル部隊もいますが、戦略コンサル部門は独立した1部門となっており、そこに勤めている人は戦略コンサルタントと定義して問題ないでしょう。マッキンゼーやBCGから来たり、行ったりという人材移動も多いので。

ちなみに総合コンサルティングファームと呼ばれる代表的な企業の名前も挙げておきましょう。

小規模な独立系のファームも多数ありますが、大きめのコンサル部隊を持つファームはこんなところでしょうか。(漏れてたらすみません・・!)

戦略コンサルティングファームの特徴

無事に戦略コンサルタントの定義も終わったので、次は戦略コンサルティングファームの特徴を見ていきましょう。

 戦略コンサルティングファームの特徴
①ビジネスの最も上流に携わる(ことが多い)

上の図表で示したように戦略コンサルタントはクライアントの抱える問題の中でも答えの出ていない領域、つまり「そもそも何をするべきなのだろうか」というところに答えを出すことが仕事になります。

Amazonがすごくてこのままじゃやばいのはわかってるんだけど、いったいどうしたらいいんだ!!??」

「自動運転?人工知能3Dプリンター?何やら凄そうなテクノロジーが出てきて、この波に乗り遅れたらまずいような気はしてるんだけど、どうすればいいの??」

 このレベルの相談がプロジェクトになります。

一方で総合コンサルは、もう少し「何をするか」が決まった断面からの仕事が多いような印象です。

Amazonに対抗すべく、この事業を展開しようと思う。新規組織も立ち上げたが、ここでは案件進捗管理を重視した科学的な営業をとりいれたい。営業ツールの導入も含めて支援してほしい」

こんなイメージです。

戦略コンサルティングファームの特徴
②クライアントの役職が高い

戦略コンサルティングファームのプロジェクトは基本的にCXO(CEO、CFO、CTOなどの経営幹部)が相手になることが多いのが2つ目の特徴です。

戦略コンサルティングファームのお偉いさんたちは、名だたる企業の社長や副社長レベルの相談相手、というポジションを確立しています。

CXOとサシで話をするなんてことはコンサル経験20年くらい経たないと難しいでしょうが、新米コンサルタントにも重役に見せる資料をつくる、少しプレゼンをする、という機会は転がっており、他の職種では得難い経験が得られるとも言えるでしょう。

戦略コンサルティングファームの特徴
③少数精鋭である

戦略コンサルティングファームは採用人数が非常に少ないです。新卒であれば毎年10人程度の採用のところがほとんどではないでしょうか。総合コンサルは100人以上の採用ですから、少数精鋭志向が強いと言えます。

考えることが仕事であり、プログラミングを書く、システムを開発するなどの人手を要する仕事が少ないことが少数精鋭の理由です。使えない奴10人より、優秀な奴1人がいた方が議論も進むし、良い戦略が練られるというわけです。

逆に総合コンサルの場合は、システム開発や業務改革プロジェクトのマネジメントをすることが非常に多い印象です。実際の開発まではやらないケースが多いでしょうが、いつまでにどんなタスクをこなすべきかというToDo・スケジュール管理、上長への進捗報告資料の作成、遅延した際のリカバリープランの策定といったプロジェクトマネジメント業務が大部分を占めるかと思います。

戦略コンサルティングファームの特徴
④単価が高い

戦略コンサルタントを1人雇う場合の単価ですが、総合コンサルタントを1人雇う単価と比べ、1.5~3倍ほどかかります。その分、プロジェクトの期間は短く、アサインされる人数は少なくなる傾向にあります。

高単価で大人数を長期間雇っていたら、クライアント先が息切れしてしまいますからね。。

戦略コンサルティングファームの特徴
⑤その他

  • 給料が高い(総合コンサルの1.5~2倍程度の給料)
  • クライアント先に常駐するプロジェクトが少ない
  • 優秀な人材の割合が高い
  • Up or Outの社風が根強い

 

さて、ざっくりと総合コンサルと戦略コンサルの違いを説明してきましたが、どこが違うかわかってきたでしょうか。

そしてなぜ戦略コンサルタントには、「俺、戦略だから」と選民思想を持つ輩が一定数いるのかもお分かりいただけたでしょうか?笑

お偉いさんを相手にし、給料も高く、少数精鋭で仕事をしているからですね。しかし単価が高いとは言え、所詮小規模なので、総合コンサルやITコンサルを持つ企業の方が売上は大きくなります。マッキンゼーがどんなに優秀でも売上10兆円は無理なのです。

ビジネスとしては、長期の契約を大きな金額で結ぶことができるシステム開発部隊の存在が大事だったりするわけで、安定した売上を立てて会社を支えているのはITコンサルや総合コンサルだったりします。

もっとイメージを掴みたい人はこれを読もう

戦略コンサルはそもそもどんなプロジェクトをスタートさせるのか、というビジネスの根っこから考える業務が多く、総合コンサルはシステム開発などのプロジェクトの進め方を決め、進捗を管理するPMO業務が多い、と理解して頂ければ概ね問題ありません。具体的にもっとイメージが掴みたい、なんかお勧めの本とかないの?というあなたにはこの一冊を。

 

問題解決――あらゆる課題を突破する ビジネスパーソン必須の仕事術

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 ぶっちゃけこれは総合コンサルの業務内容に近いですが、そもそもコンサルタントとはどんな仕事をしているのか、を理解するにあたっては良書です。

特に各章の冒頭に書かれている主人公のコンサルタントを軸にしたストーリーは、実際の業務内容にも近く、業務イメージを持つにはもってこいかと思います。

それでは。